【HQ】ネコさんのマネはキツネさんのマネになりました。

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「………音駒の選手はどんな人たちなん？」



北が突然Aに問いかけた。



「うーんそうですね、皆癖強いんですけど、仲間思いで良い人たちですよ」



「…そうか。………主将の方は？どんな人？」



「主将は、周りよく見てて、的確なアドバイスくれて、優しくて尊敬できる人ですよ。……………急にどないしたんですか？」



なんやどっかで聞いたことのあるワードやな、と北は考えた。



「いや、特に意味はないけど。………………じゃあ、俺は？真白にとってどんな人？」




「えっ、ええと……………北さんは、誰よりも部員のこと愛してて、包み込んでくれる存在って感じです」



「なんや、俺マリア様みたいやな」



そう言って北さんは、ふふ、と笑った。
たしかにマリア様という言葉が似合う存在だなと思った。



「あと、今更やねんけど一個お願いしてええか？」



「はい、なんですか？」



「……真白のこと、Aって呼んでもええ？」



「………えっ？！全然いいですけど…」



突然の北のお願いに困惑しつつ、Aは承諾した。



「…ありがとうな」



そう言って北さんはこてん、と寝た。
寝ぼけてたにしてははっきりした会話だった。
なかなか掴めへん人やなぁ…と北の寝顔を眺めた。




バスは静かになると意外と遠くからも他人の会話が聞こえやすい。



(俺起きてるんやけどな)



昨夜治に「北さんってAのことすきやと思わん？」と投げかけたところ、



「いや北さんはないやろ。そもそもそういうの興味あるタイプに見えん」



と治は言っていたが、会話を全てしっかり聞いていた侑は、やっぱり北さんはクロやな、とため息をついた。

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