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「え、黒尾?なんでここに…」
振り上げた腕を掴まれた女子生徒は驚いた目で黒尾を見た。
「お前らいい加減にしろよ、年下の女の子に寄ってたかって恥ずかしくないの?」
「だ、だって黒尾がその子特別扱いするから」
「そりゃするだろ。初めてできたマネージャーだし、後輩だったらかわいいもんじゃないの?………そもそもお前と付き合ってる、とかだったらわかるんだけど、俺お前のこと名前も知らないよ?」
好きだった異性にそう言われて返す言葉がなくなったのか、2年生の女子たちはその教室からバタバタと出ていった。
「Aごめんな、大丈夫か?何もされてない?」
よく見ると黒尾は部活の練習着を着ている。部活中に来てくれたのだろうか。
「あ、大丈夫です…すみません部活中やのに」
「いやこっちがすみませんだわ。またあとでどこのクラスのやつか調べて言っとくな」
「それはそうと…なんでここがわかったんですか?」
「研磨が教えてくれた。珍しく走って体育館まで来たから何かと思ったら」
研磨にあとでお礼言わないと、と思った。ていうかさ、と黒尾は続ける。
「こういう時って泣くもんだと。めちゃくちゃ慰めてやろーと思ったんだけど。怖かったろ?」
「……….まぁそうですね、ちょっとだけ。…でも黒尾さんが来てくれたんで大丈夫です」
そういうと笑って黒尾は頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「黒尾さんの胸かしてあげてもいーのよ?」
そういうと黒尾はニヤッと笑って腕を広げた。正直少しだけ怖かったAは、素直に応じて頭を預けた。ぽんぽんと大きな手で頭を撫でられ、滅多に泣かないAが、少しだけ泣いた。
「…………よし、Aがもう大丈夫なら部活戻るけど?いけそうか?1人で来れる?」
「…………はい、ちょっと目洗ってからいきます」
ゆっくり来ていいよ、とAに声をかけ、教室を出ようとした時、あ、と思い出したように黒尾はこちらを向いた。
「俺はAの関西弁、可愛くてすきだよ」
そう言い残して、黒尾は教室を後にした。
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ちび(プロフ) - ひなこさん» コメントありがとうございます!その通りです!お恥ずかしい…ご指摘ありがとうございました! (2020年7月5日 14時) (レス) id: c0c643d2d0 (このIDを非表示/違反報告)
ひなこ - 12ページの角名くんのセリフ火のないところに煙は立たないが正しい言葉だと思いますよ、 (2020年7月1日 20時) (レス) id: 70a16b712e (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - リョンリョンさん» コメントありがとうございます!!もっときゅんきゅんできるように、更新頑張ります(*^^*)暖かいお言葉励みになります! (2020年6月6日 23時) (レス) id: c0c643d2d0 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - さむつむさん» コメントありがとうございます!クロは私的に女性に優しいイメージなので、そこを意識して書いてます笑 更新頑張ります!! (2020年6月6日 23時) (レス) id: c0c643d2d0 (このIDを非表示/違反報告)
リョンリョン(プロフ) - 初コメ失礼します!夢主が宮兄弟にまた会えるようにと思ってバレー続けてるとか普段強気なのにとても健気でかわいいです笑稲荷崎の宮兄弟と北さん推しなのでめっちゃ見ててキュンキュンします!!更新大変だと思いますが頑張ってください! (2020年6月6日 13時) (レス) id: 21731a0686 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちび | 作成日時:2020年6月4日 19時