【HQ】ネコさんのマネはキツネさんのマネになりました。

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宮兄弟とAは毎日登下校を共にしているのだが、先輩たちと正式入部祝いをしたその次の日、事件は起こった。



「…なんやこれ」



Aの靴箱に一枚の紙が入っていた。中身を見ると、『マネージャーやめろ』の文字。
侑と治に報告しようか迷ったが、無視していれば嫌がらせもすぐに終わるだろうと思い、丸めて鞄の中に入れた。



「A？早よいくで」



治に声をかけられ、返事をして2人の元に向かった。



昨日のあの晩、侑は角名に聞いたことをそのまま治に伝えた。
話の内容を聞いた治は「やっぱりなぁ」という反応だった。


「お前知っとったんか」


「いや、知らんかった。でもいつかは来るやろなーおもてた」



女子は怖いなぁ、と言い、2人で気をつけようと約束した。



「なぁA」



教室で席に着き、侑はAに声をかけた。



「ん？なんや」



「…………………お前なんかあったら言えよ」



侑のその言葉にAは数秒固まったのち、急に何の話やねん、と笑った。



(なんや、バレたんか思った)



Aは鞄の底にある丸められた紙を見つめた。



授業も終わり、その後は何事もなく1日が終わった。
一人暮らしのマンションに帰ったAはベットで横になる。



(直接何かしてくるわけではないんか？)



大方宮兄弟と北のファンだろうと予測はついていた。幼馴染の目から見ても2人は顔が整っているし、登下校している時も女子の目線に気づいてはいた。



(といっても私が遠慮する義理なんかないんやけどなぁ)



そもそも友達であるし、私は宮兄弟と北さん目当てでマネージャーになった訳ではない。ため息をつくと、朝靴箱に入っていた紙をゴミ箱に投げ入れた。



「こういう嫉妬って、マネージャーは背負っていかなあかんもんなんやろか」



呟いた言葉は誰に聞かれることもなく、一人暮らしのマンションの壁に消えていった。

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