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『覗くなよ...覗いたら明日の試合前練習100回腹筋させるからな...』
「俺のことなんだと思ってるの?」

ぎゃーぎゃーと試着室前で騒ぐ僕たち。
何も知らずにみればヤバい奴ら。

そう騒いでいると、試着室の鏡に映って見えたのか、颯一郎は驚きと焦りが混じったような表情で僕を試着室へ押し込んだ。

『なにっ!?颯一郎!?』
「声でかいっ!ファンの子達きてるから静かにしろ!」

そう言って狭い試着室に2人で入ることになった。
ぎゅうぎゅうになりながらカーテンの隙間を覗いた。

多分颯一郎が「ファンの子」と呼んだ子がすぐそこにいた、
僕は焦りながら隠れるように小さくなった。

『...近いわどけ』
「こうしないと入んないし...バレるから...」

こそこそしてるせいで逆にバレる。
試着室の外からはこんな声が聞こえた。

「選手たちがこういうところにいたらどうする?」
「え?○○選手に着せるんですか?って聞いちゃうかも」
「なんかさ、次のファンフェス選手の女装大会あるらしいよ。」
「やっば....公式もいいことしてくれるじゃん。」
「もう野球じゃないよね。アイドル。」
「西原選手の見てみたいかも!」

一番聞きたくないタイミングで僕の名前。 正直驚いてしまった。

それに僕の女装なんて誰が見たがるんだよ...
やっぱりあーいう小説が原因?

『もう颯一郎出て!』
「わかったから!」

がらがらっと颯一郎がカーテンを開けた瞬間、あのファンの子がこちらを振り向いた。
一瞬誰だ...と考えてから僕たちのことに気づいてその場にしゃがみ込んだ。

『え...ちょ...』
「西原選手と山崎選手...なんでここに...」
「んー、ファンフェスの衣装選び。」

颯一郎は迷いもなく答えた。

「んー、じゃあこいつに来て欲しい衣装、選んでもらおうかな、」
「え...いいんですか?」
「もちろん。」
『話を勝手に進めるな!颯一郎!!』

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作者名:りた氏 | 作成日時:2024年3月23日 22時

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