生まれたて ページ1
ここは……海…のどこなんだろう?
私は水の妖精で、ここが海と言うことだけしか分からない。
周りを見てみると、魔法を付与された布を抱いた人魚が一人いた。
「ん…?きみ、見ない顔だね。生まれたばっかり?」
何をすればいいか分からず、そのままそこに留まっていれば風の妖精に声をかけられる。
「多分…そう。」
「多分って何?おもしろいねー。あ、そういえば色も水の妖精じゃ見たこと無い綺麗な色だね。」
風の妖精はコロコロと笑い、私に言う。
そういえば、目は分からないが確かに私の髪は白色だ。
「あれ、きみ契約なんてしてるの?本当に珍しいねー。」
「契約?」
「ありゃ、これも自覚無し?ほら、そこの人魚と死ぬまでペアになる契約。でもさー、妖精って縛られるの嫌いじゃん?だから、君って本当に珍しいよねぇ。」
風の妖精さんは「にしてもペアの子放って何してるのさ。」と言うと、人魚に少し風を吹かせる。
人魚の動きが止まりこちらを向きそうな素振りを見せると、風の妖精は「んじゃ、またねー!」とどこかへ飛んでいく。
…結局良く分からなかったけど、私はあの人魚と契約しているらしい。
確かに、よく知らない人だが悲しそうな様子を見ているとなぜか胸がざわざわする。
近くによって見ていると人魚が顔を上げる。
「大丈夫?貴方はなんて名前?」
呼びかけると、言葉は分からないらしかったが、嬉しそうな、悲しそうな笑顔を浮かべる。
「…帰りましょうか。Aさん。」
私はAという名前なのだろうか?
分からないけれど、なぜかこの人に呼ばれると落ち着いて、それがあっているように思える。
契約を結んだし、何より一緒にいたいと思って私が隣に並ぶと泳ぎ出した。
この人が行くままについて行けば、鏡を潜り大きな建物へつく。
魔法薬で尾ビレを足に変えて、また水の中の建物へと入る。
部屋の戸を開けると眼鏡をかけた人へ呼びかけた。
「…アズール。」
「ジェイド、ちょうどいいところに、………お前…いつ妖精と契約なんてしたんです?」
「それに、その色合い……」とアズールは続ける。
私は、この人はジェイドと言うのか。と一人納得する。
二人とも何を話しているのか、暗い顔をしながら時々私の方を見る。
私は何の話をしているのか分からないし興味が失せたのでその辺を飛び回る。
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コザクラ子 - ぽんさん» 指摘していただいてありがとうございます。本当にすみません。またやってしまいものすごく学習能力無しになっていました……!本当にすみません! (2020年11月8日 22時) (レス) id: 2831a82f4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コザクラ子 | 作成日時:2020年11月8日 19時