ペットとめんへらアイドル【jk×th】

part.24 ページ24

th side







th「はは、なん、で、………っ、ぅ」





鼻を掠める、君特有のミルクみたいな甘い匂い。
僕とお揃いのコップに、パジャマ。


君はもういないのに、思い出のあるものばかりに包まれる。





君は、なんて残酷なことをしてくれたんだ。






初めからそうだった。
僕の家で、僕と同じ食事で、僕の服。


全て僕が与えたものなのに、君は僕に染まってくれなかった。
僕だけが、君に深く深く堕ちてしまったんだ。





それなら、もっと早くに僕たちの関係に名前をつけておいたら良かった。
ずっとずっと、わからなかった。



家族、恋人、友達。
全部違うんだ。



どれもしっくり来なくて、1度も僕たちの関係に名前をつけたことは無かった。
だって、僕たちの愛はそんなに簡単に名前をつけられるほどやすいものじゃないでしょ？




そして、今もずっとわからないんだ。
僕達はなんだったのか。


僕たちの過ごした時間はなんだったの。




ねえ、教えてよ。
君が望むなら、僕は家族にでも友達にでも恋人にでも成り代わるから。




だから、僕のもとに帰ってきてよ………、






・







・








・








１ヶ月、2ヶ月、半年……。
どれだけ月日がたっても僕の前に姿を現すことは無かった。




君を待っている間に僕は大きな賞をもらったんだ。
すごく、すごく嬉しかった。


正直、解散とかも考えたりしてすごく辛い時期が続いてたから。


でも、僕は泣いちゃったんだ。



ヒョンたちのスピーチに感動したのはほんと。
それでも、泣いた理由の半分にも満たないんだ。




この賞を君と一緒に喜ぶことが出来たら、一言君が ”おめでとう” って言ってくれたら。

そんなことを考えたら涙が止まらなくなってた。





テレビもスマホも全く見ないで世間知らずな君だったけど、僕がもっと有名になったら僕の元に帰ってきてくれる？


アイドルのVじゃなくて、ただのキムテヒョンを愛してくれた君が僕には必要なんだ。



必ず探し出すから。
また捕まえたその時には骨の髄まで愛してあげるからね。





どこまでも残酷な君を、僕は愛してしまったんだ。











th過去編fin
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