よんじゅうに。 ページ43
無一郎side
『お母さん、!!』
そう。あれは紛れもなくAのお母さんだ。
Aの家族が襲撃された日……否、Aが僕を忘れた日から姿を消していたあのお母さんだ。
Aは数年ぶりに会った唯一の家族の元へ駆けていった。
瞬間、彼女から何かが放たれた。
無「Aッ!!危ない!!」
反射でAは放たれた“それ”をなんとか避けた。
『えっ、なにこれ……』
Aめがけて飛んできたのは数本の針のようなもの。
『毒針……!?』
お母さんをよく見ると眼が血走っている。
無「無惨に……鬼にされた?」
『まさか、!そんなわけ……ひぃっ!』
またしてもAに毒針が飛んでくる。
信じたくもない。Aの母が鬼になっただなんて。
でも信じなくてはならない。
『お母さんと闘わないといけないの……?』
僕は静かに頷くことしかできない。
Aを後ろに庇い、刀に手をかける。
どの型を使えば彼女を苦しめずに倒せる…?
無「霞の呼吸………」
落ち着け落ち着け落ち着け。
相手は鬼だ。
僕の知ってるAのお母さんじゃない。
___無一郎くん!いらっしゃい!
___せっかくだし夕飯食べていかない?
___無一郎くんはしっかりしてるわねぇ。
___Aと結婚させるなら無一郎くんみたいな子がいいわ!
両親を亡くした僕に、本当の親のような愛情を注いでくれた人。
僕の人生に華を咲かせた愛しい人を生んでくれた人。
そんな大切な人の頸を斬るなんて…
『むいくんッ______!』
気づいたときには、僕の体は無数の毒針を受けていた。
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意識が飛びそうになるのを呼吸で抑える。
うっすら目を開くと、涙で顔がぐちゃぐちゃのAがいた。
可愛い顔が台無しだよ。
僕の腕にも、Aの腕にも、お揃いの水色が光っている。
こんなに闘ったのに二人とも腕輪切れてないのすごいね。
そんなことを考えていた矢先、Aは立ち上がって鬼になった母と対峙する。
無「な、、に、して、っ」
『桃の呼吸…………』
彼女は微笑んで鬼に歩み寄っていく。
あの技を使う気だ_____。
ラッキーパーソン
蜜璃
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作者名:りお | 作成日時:2020年4月9日 20時