にじゅうさん。 ページ24
甘味処を出た私達はぶらぶらと街を歩いている。
あれから蜜璃ちゃんは桜餅の山を見事に食べ尽くし、とてもご機嫌だ。
「そこのお嬢ちゃん!うちの店寄ってみないかい?」
蜜璃ちゃんは容姿が良すぎるから定期的にこのような勧誘の人に声をかけられる。
その度に彼女はやんわりとそれらを断る。
蜜「やけに今日は声をかけられて困っちゃうわ。Aちゃんと一緒にいるからかしら。」
『蜜璃ちゃんが可愛すぎるからですよ。』
蜜「やだ照れるじゃない!
でも一人の時はこんなに声かけられないのよ私。」
『そうなんですか!?』
だからAちゃんも可愛いのよ、と言われ顔が赤くなるのが自分でも分かる。
ふと、とあるお店の商品が目に入った。
『蜜璃ちゃん!あのお店見たいです!!』
目当ての店へ駆けていく。
『綺麗…………』
私が目をつけたのは水色と白が霞みがかった柄の玉でできている腕輪のようなもの。
蜜「ぶれすれっと………」
値札にはそう書かれている。
『これ………無一郎くんに似合うだろうなぁ。』
そのデザインは、彼の水色の瞳に似ていて、また霞柱である彼自身にすごく似ていた。
蜜「…Aちゃんにも似合うと思うけどなぁ。」
『私に?』
蜜「うん!これ、無一郎くんにプレゼントするのはどうかしら!?Aちゃんとお揃いで!!」
____お揃いで。
それも良いかもしれない。なんて考えると自然に笑みがこぼれる。
『ふふっ。そうします。』
私はその商品を二つ手にとって購入したのだった。
帰りは蜜璃ちゃんが家まで送ってくれた。
何から何までしてくれて本当に優しい人だ。
『今日は楽しかったです。ありがとうございました!』
蜜「私も楽しかったわ!…また遊びに行けるといいわね。」
そして蜜璃ちゃんは去っていった。
___また遊びに行けるといいわね。
「また遊びに行きましょう」とは言わなかった。
それが、鬼殺隊である以上いつ命を落とすか分からないということを示唆しているようだった。
ぎゅっと今日買ったものが入っている袋を握りしめる。
彼は喜んでくれるかな_____
ラッキーパーソン
蜜璃
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作者名:りお | 作成日時:2020年4月9日 20時