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「信じて欲しい」
「……!」

「私は、みんなを信じて欲しいです」

ここが正念場なのだ、気を使う必要なんて無い。私は私がやらなければならないことをする。それだけだ。

「そんなこと言われても……さ。強い人には分からないだろう?ボクらの気持ちなんか」
「分からなくても、共有することはできます」
「綺麗事だ」
「ええ、綺麗事ですとも」

ソウは眉をひそめて唇を噛んだ。彼はまだ殻に閉じこもっている。私が連れ出してあげなければ。

「認めるんだね」
「だってその通りですから。でも、私は本気で言ってる」

敬語は不要だ。彼に私の感情を、ありのままぶつけるんだ。

「私はサラだけを助けられればいいと思ってた。でも、考えが変わった」

カイの遺言を、想いを忠実に守ろうとした。けれど……。

恩師を喪った哀しみを背負いつつもサラを支えたナオ。最年少で一番不安も大きいだろうに果敢に現状に立ち向かうギン。弱いものに優しく振舞い、自分は決して折れることはないレコ。こんな時だからこそ、妹と仲直りしたいと願う兄のアリス。

挙げればキリがないが、この極限の状態にみんな抗おうとしてる。不謹慎かもしれないけど、そんな彼らの生への渇望と周りを見失わない強さに、感銘を受けたのだ。








「私はみんなを救いたい」









そこまで話したところで、丁度カンナがピザの箱を持って部屋に入ってきた。

「遅くなってごめんなさい……!」

「……」
「おかえりなさい、カンナ」

カンナがせっせとピザを取り分けるのを見て、私はソウに最後の言葉を伝えた。

「……ソウさんだって、カンナを救いたいはずでしょ」

ソウはきゅっと口を結ぶ。マフラーを手繰り寄せてそれに顔を埋めた。……泣いてる?

「泣いてるんむっ」
「…………黙れ」

泣いてる事を意地悪く指摘しようとしたら手で口を塞がれた。その際にマフラーの隙間から涙の滲んだ瞳が見えた気がしたんだけど、気のせいだったかな。


「ふふ、二人とも何してるんですか。みんなでピザ、食べましょう」


カンナがピザの乗ったお皿を二枚差し出してくれた。それを一枚ずつ受け取って、口に運ぶ。

「美味しいね、ありがとう」
「……ご苦労様」




二人でお礼を言うと、カンナは嬉しそうに「どういたしまして」と笑ってくれた。

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Rukia (ゆっくりゆる) - 夢主が死んだ!!この人でなし!!!(風評被害) (2021年6月24日 15時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
紅楓(プロフ) - 面白いです!作者様のペースでいいので、更新頑張ってくださいね! (2020年5月13日 13時) (レス) id: 082dab1426 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ「和」○かき氷(プロフ) - ほんっとに面白いです!!シン君推しの私にはもうヤバいです!!!(語彙力崩壊並に)続きも待ってます!更新頑張ってください!応援してます! (2019年6月19日 1時) (レス) id: 261bc1b2af (このIDを非表示/違反報告)
ドローンコマミレ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!応援してます! (2019年6月13日 18時) (レス) id: 2653006338 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - ほんとに好きです。笑キミガシネあまり小説ないんで嬉しいです!頑張ってください!!! (2019年6月13日 0時) (レス) id: e4e581fc0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツキミ | 作成日時:2019年6月10日 15時

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