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まだ少し痛みのあるらしい緑谷くんと登校の時間だ。その原因は本気で言いたくないようなので、私も無理に詮索しないでおこうと思う。

怪我のせいかいつもより口数が少ない緑谷くん。何故か責任を感じてしまい、鞄を探るとゼロオク音源入りyou Podが。

「ねえ緑谷くん!」
「何?」

視線だけをこちらに向ける緑谷くんに尻込みしながらも、イヤホンをさしたyou Podを自慢するように見せ、左片方を彼に渡す。

「ホラ、昨日話してた……ザ・エンディングだよ!」
「うぇ!?えーとコレは……」
「左につけてね、私は右だから」

緑谷くんが装着したのを確認してからyou Podで音楽を流すと、心なしか緑谷くんの顔が明るくなったように感じた。

彼の横顔を見て安心すると同時に、私も顔が綻ぶ。次の曲に突入すれば、不思議そうな顔を緑谷くんがしたので、私が右を向いて「お気に入りの曲なんだ」と言えば納得したような雰囲気。

穏やかな空気の中曲を聴きながらしばらく歩いていると、膝に強い衝撃がきて、その拍子に緑谷くんのイヤホンが外れる。

「あ、え?なに?」
「ば、ばば爆豪くん……!!」

曲がった膝を立て直し、イヤホンを外して振り向くと、不機嫌度MAX(推測)の爆豪君がまたまた仁王立ちで私……というよりも正確にはイヤホンを睨みつけていた。

ど、どうしよう。これは逃げるべきなのかな……でも後が怖いな……。

かなり深刻に悩んでいた私だったが、緑谷くんは腹を決めたようで私の腕を取り一直線に駆け抜けた。

***

「みみ緑谷くん!?」

息も絶え絶えで教室にたどり着き、青い顔で緑谷くんを呼べば、彼は。

「昨日残って酷い目に遭ったし……逃げた方がいい気がして……」

遠い目をしてそう言い放ったのだった。




 

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りゅいりゅい - この小説ってこれでおわりなんですか??続き読みたかった! (2015年11月6日 20時) (レス) id: 49c5647ae9 (このIDを非表示/違反報告)
爆豪緑茶@僕アカ(プロフ) - Rさん» そうなんですか!あの方の作品面白くて、小学生の頃は読み漁った記憶があります('∀`)中々ユーモアがあって読んでて楽しいですよね!コメントありがとうございます! (2015年4月1日 21時) (レス) id: 8c10557c6a (このIDを非表示/違反報告)
爆豪緑茶@僕アカ(プロフ) - まいにゃさん» ありがとうございます!そうですね、なんかデクさま中心になってしまいました(;'A`)次予定している中編はかっちゃんよりなので、目を通していただければ幸いです('∀`) (2015年4月1日 21時) (レス) id: 8c10557c6a (このIDを非表示/違反報告)
R - わ!ロアルド・●ールさんがかかれてて嬉しい!大ファンなんです。他も、台本書きじゃないことに好印象です! (2015年4月1日 19時) (レス) id: 32a8b5557f (このIDを非表示/違反報告)
まいにゃ - いつも読んでます!!面白いです!もっとかっちゃんと絡ませて欲しいと思いました!(●˙―˙●) (2015年3月22日 9時) (レス) id: cd5405aabd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:爆豪緑茶@僕アカ | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/mylist  
作成日時:2015年3月19日 22時

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