【救済】救けてのSIGN【僕のヒーローアカデミア】

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ようちえんに通っていたとき。
親とはなれたくなくて、泣きさけんだ。
たけうまにうまくのれなくて、先生に泣きついた。
ながくおもいたけうまを持てなくって、前の子にぶつけた。
あの子とその子に好かれていた。


小学校に通っていたとき。
前のせきの子がやんちゃだった。
うしろのせきの子と仲が良かった。
面白い遊びをていきょうして、皆を楽しませられた。

ここまでは良かった。

とちゅうでからだの調子がおかしくなった。
ふさぎ込んだ。
マスクをした。
話さなくなった。
本を読み始めた。
あの子とその子ははなれていった。

軽いいやがらせを受けた。
いすを思い切りけられた。
何もしてないのに、「きらい」と言われたので、私もきらいと言い返した。
また、べつのあの子とあの子とあの子がともだちになってくれた。

***

中学校に通っている今。
あの３人とも疎遠になり、今では自席で本を読む毎日。今読んでいるのは「はてのある物語」、ミカエル・エンダ作の大作である。

「その本、なんていうの？」

あらすじとしては、虐められっ子の男の子が本屋で不思議な本と出会い、その物語の中に取り込まれて、はてのある冒険をするというもの。

「えーと……Aさん？」
「……？」

顔を上げ右上に視線を動かすと、そばかすが特徴的な緑色の天パの男子が問いかけてきた。

私は今掴んでいる本の表紙を彼に示して、軽く会釈する。

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