消しゴムヒーロー ページ9
あ、消されそう。
やな事も、何もかも。
全部この人のおかげだ。
消しゴムヒーロー
「ねえ、いつになったら持ってくんの」
「……すみません」
「次持ってこなかったらあの写真バラすかんな?」
「持ってこいよー、いちまんえん!」
頰を強くぶって、満足気に去っていく三人の後ろ姿を見るのはいつものこと。
何も言い返さない、後ろから反撃したりもしない。ただこの現状に身を委ねて、自分をゆっくりゆっくり傷つけていくことを選択したのは、もういつからだろう。
ある日、転校生が来た。相澤消太くんというらしい。無口そうな彼は、おしゃべりの山田くんとよくつるみ始めた。凹凸コンビとして、二人ともかっこいいのもあってか見物に来る女子が絶えない。
ある時、転校生と喋る機会があった。どうやら私の読んでいる本が気になるようだ。自分から話しかけに行くような人間ではないからなのか、数人が珍しそうに相澤くんを見ていた。
……あの三人の女の子たちもだった。
「この本好きなの?」
聞いてみた。
「著者は死んだが作品は生きている。いい例だと思って興味があるんだ」
結構深い答えが返ってくる。
「これ初版なんだけど、貸そうか?」
「いいのか?」
「うん。どうぞ」
「ああ、ありがとう」
転校生と繋がりができた。
小さなものだけど。
その日は、たくさんぶたれた。
親にものすごく問い詰められたけど何も言わなかった。親は学校に電話したけど、私は否定するもんだからまともに取り合ってくれないだろう。母は泣いた。父は嘆いた。兄は呆れた。姉は無関心であった。
三日と土日の五日間休むことになり、その間怪我を治すことに力を注いだ。当然友達なんかいないので、気にして来てくれる人なんて皆無。
と思ってたんだけどな?
「A」
「名前呼びか、相澤くん」
「名字を知らん。山田がお前のことをよく喋る」
「なるほどね」
なんで来たの?そう問うと、相澤くんは至極真っ当な答えを返してきた。本を返すため、だそうで。なんとも簡単。単純明快。
「わざわざごめん。住所は?」
「山田から聞いた」
「……そう」
山田ひざし。謎の多い人物だ。あの人委員長でもないよね。
「……で、お前なんだよその包帯。ぶつけたとかじゃねえだろ」
「……」
「ダンマリ決め込む気か?」
「……」
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さおこ - 轟くんと爆豪君に取り合われるなんて夢みたい♪そう言えば昔、あなたのサイト(ヒロアカの夢の)を見たことがあります。もう一度伺いたい(そこの小説がすごくよかった!)のですが名前を忘れてしまって・・・・・・。名前等サイトに行き着く方法を教えてくれませんか? (2017年3月13日 10時) (レス) id: 7ea30d6ffd (このIDを非表示/違反報告)
爆豪緑茶(仮)(プロフ) - マリーさん» スペルミスありましたか汗ありがとうございます!すぐ直します (2016年6月22日 15時) (レス) id: 8c10557c6a (このIDを非表示/違反報告)
マリー - storong-willedの所はstrong-willedです。 (2016年6月19日 9時) (レス) id: dbee68ecf1 (このIDを非表示/違反報告)
爆豪緑茶@僕アカ(プロフ) - 柚子sherbetさん» 出久くん手引いてくれそうですよね顔とか赤らめながらおおかわいい……ミミッチイww (2015年12月26日 10時) (レス) id: 8c10557c6a (このIDを非表示/違反報告)
柚子sherbet(プロフ) - いずくん紳士!素敵!そして歪みない爆豪氏…そんな歪みない爆豪勝己(読み:ミミッチイ )も大好きですっ!! (2015年8月20日 19時) (レス) id: fd1c99c274 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:爆豪緑茶@僕アカ | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/mylist
作成日時:2015年7月12日 19時