つづき ページ13
私のこと助けてくれたし。
「それに、なんだ?気になるだろ」
「え、えっと……ホラ、私のやな事全部消してくれたじゃん。……私にとって、相澤くんはヒーローだよ」
消しゴムみたいに、消してしまったのだ。
「は?」
「相澤くんのヒーローネームだ。私がいま決めてあげた」
「だせえ」
「だ……ダサくない!……よ、多分」
私も適当な机に座って、足をぶらぶらさせながら言った。
「大体『消しゴムヒーロー』なんざガキ臭えだろ」
「えー……」
「……まあ参考にはしてやる」
「やった」
会って数日の、それも今まで虐められていた人間が適当に思いついた奇怪な名前だけど、相澤くんはとりあえず候補には入れてくれたようだ。
……そうだ。
「相澤くんは、雄英受けるの?」
「ああ。その為に近場の緋色中学に転校してきたんだからな」
「……そっか。そうなんだ……」
「どうした?」
「ううん、なんでもないよ」
中学二年生の春。まだまだ進路について考えるのは先のはずだったのに、なんだかこの時一瞬で私の未来が見えた気がした。
雄英高校で教師なんて……ねえ。それも山田と相澤くんと一緒に試験受かっちゃったりしてさぁ。
妄想に妄想を膨らませていると、急に右から手が伸びてきて、髪を掬われた。肩が跳ねる。
「な、なに!?」
「いや……悪かったか?」
突然のことにびっくりして慌てると、相澤くんも一瞬目を見開いて手を引っ込めようとする。それに何故か……何故か悲しくなって、咄嗟に、
「全然!」
……とか言ってしまって、また髪に、時々頰に触れる温度とかに、どきどきしてしまう。……これはなんだろう。
肩を上げた拍子に浮いた両手を下げた。出来るだけ彼を見ないように、机に手をついたつもりが人間の足のようなものの感触がする。だが私の足ではない。……あれっ。
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さおこ - 轟くんと爆豪君に取り合われるなんて夢みたい♪そう言えば昔、あなたのサイト(ヒロアカの夢の)を見たことがあります。もう一度伺いたい(そこの小説がすごくよかった!)のですが名前を忘れてしまって・・・・・・。名前等サイトに行き着く方法を教えてくれませんか? (2017年3月13日 10時) (レス) id: 7ea30d6ffd (このIDを非表示/違反報告)
爆豪緑茶(仮)(プロフ) - マリーさん» スペルミスありましたか汗ありがとうございます!すぐ直します (2016年6月22日 15時) (レス) id: 8c10557c6a (このIDを非表示/違反報告)
マリー - storong-willedの所はstrong-willedです。 (2016年6月19日 9時) (レス) id: dbee68ecf1 (このIDを非表示/違反報告)
爆豪緑茶@僕アカ(プロフ) - 柚子sherbetさん» 出久くん手引いてくれそうですよね顔とか赤らめながらおおかわいい……ミミッチイww (2015年12月26日 10時) (レス) id: 8c10557c6a (このIDを非表示/違反報告)
柚子sherbet(プロフ) - いずくん紳士!素敵!そして歪みない爆豪氏…そんな歪みない爆豪勝己(読み:ミミッチイ )も大好きですっ!! (2015年8月20日 19時) (レス) id: fd1c99c274 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:爆豪緑茶@僕アカ | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/mylist
作成日時:2015年7月12日 19時