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「いたでしょー？常連でいい男が」
A「どこがよ、桜井さんの方がいい男だし…」
手をヒラヒラとしてさりげなく自分を上げる社長に
Aは聞こえないように文句を言った
あんな男より桜井さんの方が愛理とお似合いだし
愛理を幸せにできるとわかっている
あんな男認めるもんか
三浦「そんな前から愛理さんと…！」
2年前となれば結構長い
常連客である三浦と尾崎すらまだ出会ってない頃だ
愛理はしばらく考えると
愛理「あ…！！」
やっと思い出したのか珍しく声を大きくし
愛理「藤代さん？」
そして、男の名前を口にした
藤代「そう！よかった〜、僕のことまで忘れちゃったのかと思った」
名前を呼ばれた男は心の底から安堵し
そんな男の言葉に良太郎とAが反応した
A「今のどういう意味？」
良太郎「僕の…事まで…？」
今確かにこの藤代という男は
”僕のことまで”と言った
聞き間違えではない
僕のことまで忘れてしまったのかと思った
この言葉が妙に引っかかる
藤代「まぁたしかにあの頃の僕は顔がいいだけの男だったし、愛理さんに振られたのも当然だ」
そしてまたまた自分の顔をどさくさに紛れて褒める男
当然のように自分の顔を褒める男の態度に
Aのイライラが募っていく
今ならリュウタロスの気持ちがこれでもかと言うくらいわかる
桜井さんのことを大事に思ってたからこそ
この男の存在自体に腹が立って仕方がない
藤代「でも今は、それなりの男になりました」
藤代「まぁ…こんな形での再会になっちゃったけど」
なにも気にすることなく話を続ける藤代
取り出したのは借金の保証書
そこにはしっかり
"野上愛理"と愛理の名前が記されていた
この保証書を見て
今まで普通だった愛理の顔が明らかに曇った
藤代「でも…これはお互い幸運だと思うんだよ、うん」
藤代「だって僕は愛理さんと婚約出来てすごくハッピー」
この発言に下を向いていた愛理は
いつも見せないような
冷たい目付きで藤代を見た
藤代「で、愛理さんは僕という頼れるパートナーができておまけに借金チャラ、すごくラッキー」
最初から怪しい感じはしたが
ますます怪しさが強まっていく
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作者名：ぽちゃた | 作成日時：2022年6月26日 11時
