幸せを数えて ページ23
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A｢え、嘘でしょ！？｣
ゼロライナーの車内に響くAの声
あっちに行ったり、こっちに行ったり
コクピットに行ったりを繰り返し
最終的に居住スペースに戻ってきたのだが……
A｢誰もいない……｣
A｢侑斗はともかく、デネブもいないってそんなまさか｣
助けてくれたお礼を言おうと侑斗とデネブを探していたのだが
どこを探しても2人の姿は見当たらなかった
侑斗はともかく、デネブまでいないとは予想外だ
無人のゼロライナーは基本は時の砂漠の中を走っているはずだし以前にデネブにそう聞いていた
無人のままでこんなところに来れるはずがないのに
何度探しても侑斗たちの姿はない
A｢まぁ…今度会った時に言うしかないか｣
列車が停止したのを確認し
扉へと向かい
外へ出ようとしたその時
外には
A｢しまった…………｣
良太郎｢しまったじゃないよ｣
A｢あー、ちょっと用事を思い出したから戻るね｣
良太郎｢ゼロライナーに用事なんてないでしょ、嘘つかない｣
A｢あ、あるもん！ある！｣
扉を開けた瞬間
目に飛び込んできたのは鬼の形相…とまではいかなくても
そこそこ怒ってるであろう良太郎の姿だった
いつもの穏やかな顔とは少し違うと察したAは
そのまま流れるようにゼロライナーへ戻ろうとしたが
嘘が下手くそなのか全然上手く誤魔化せない
良太郎｢出てきてよ｣
A｢…………イヤです｣
良太郎｢別に怒ったりしてないから｣
A｢……嘘つけその顔は絶対に怒ってる｣
良太郎｢少しね、すこーしだけなら｣
A｢ほら！！ほらー！！怒ってるじゃんヤダ怖い｣
良太郎が怒るとどれだけ怖いかAはよく知っている
普段はAがかなり強気に出てるが
良太郎に怒られたら立場が逆転する…かもしれない
もちろんAもそう思ってるのか
頑なにゼロライナーの中から出ようとしなかった
良太郎｢みんな心配してるから戻ってきてよ｣
良太郎｢ハナさんも、ナオミさんも心配してるから｣
グサリと刺さるハナとナオミの名前
Aが大好きで大好きで仕方ない友達だ
この2人の名前を出されてAがなんとも思わないはずがない
A｢2人の名前を出すなんてずるいよ｣
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作者名：ぽちゃた | 作成日時：2022年6月26日 11時
