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A｢人のために戦って、傷つくなんてバカのやることよ｣
次々と出てくる罵倒のような言葉
今までAが口にしてきた言葉とは
綺麗に反転するような言葉ばかり
淡々と口にしているように見える一方で
どこか苦しそうに、もがいているようにも見えるが
イマジンはそんなのお構い無しに嬉しそうだった
A｢消したい過去だってあるのに｣
A｢本当に…バカバカしい｣
兄が死んだ時の記憶と
母親が死んだ時の記憶が鮮明に蘇る
兄は自分を生かすために死んだ
何週間か経ってから見つかった兄の姿は
目を背けたくなるほど変わり果てていた
名前を呼んでも、手を握っても、返事はない
ずっと一緒にいると約束したはずなのに
約束も、命も、泣きたくなるほど儚いものだった
A｢ずっと…前からそう思ってた｣
A｢だからもう全部どうでもいい｣
人のために頑張って、傷つく人が嫌いだ
その優しさが反吐が出るほど大嫌いだ
どうして人のためにそこまでできるのだろう
A｢全部全部消してもう一度やり直そう｣
A｢私が望む未来は全部壊れた未来｣
人のために頑張って、傷ついて
優しくなれる人を見ると胸が苦しくなる
それはきっと大切な人がそうして消えていったからだろう
これら全てにもううんざりするくらい当てはまる人を
Aは知っている
何も知らないのに、運が悪いのに、弱いのに
諦めるという言葉を知らないかのように頑張って
傷つきながらも立ち上がって戦って
そんな姿を見れば見るほど嫌になる
A｢電王もゼロノスも消してあげる｣
A｢だから私の命は助けてね？｣
消えてしまうんじゃないかって
いなくなってしまうんじゃないかって
怖くなる
｢お前の気持ちはよくわかった｣
｢共に時間を破壊しよう｣
こちらに伸びてくるイマジンの手
肩に触れる寸前
全てを拒むように強く掴む
A｢なんてね、今のは嘘｣
A｢こんなわかりやすい嘘に騙されるなんてバカみたい｣
｢貴様…！！騙したな！！｣
A｢アンタたちイマジンに協力するくらいならここでさっさと死んでやるっつーの｣
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作者名：ぽちゃた | 作成日時：2022年6月26日 11時
