無個性でもヒーローになれる！２！ (ページ43)

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警察も撤収し、モール内が通常の空気に戻った頃、前方から前原が走ってきた。

前「わりぃ遅くなった！…マジ焦ったわぁ、入ろうとした途端に閉鎖されてさ」

磯「さっきまで敵(ヴィラン)がいて…俺らの目の前にも来たんだ」

前「マジかよ⁉大丈夫だったのか⁉」

『大丈夫だったから今ここにいるんだよ。ちょっと話しかけられただけ、明日にでも先生に相談しとくから心配ないよ‼うちの教師はプロヒーロー達だし、あのオールマイトもいるんだから』

まぁ、オールマイトは活動に限界あるみたいだけど…世間はそれを知らない。
平和の象徴(彼の名)はどんな不安をも吹き飛ばす特効薬。2人に使わせていただきます。

前「確かに‼最強のセコムじゃん」

『でしょ？』

磯「…しばらくは1人になったりせずに気をつけろよ」

『わかってるって』

特効薬の効果は抜群で空気が一気に柔んだ。

『前原もなんか買う予定あるの？ないなら今から合宿用にキャリーバッグ買いに行きたいんだけど』

前「おう‼いいぜ」

磯「キャリーバッグなら上の階だな」

さっきまでの不安が嘘の様になくなりわいわいと駄弁りながら移動する。
ここまで一気に不安がなかった様になるのも怖いな…。

前「コレなんかいーんじゃね？」

磯「短パンだろ？寝冷えするって…」

『…なんでパジャマ？』

キャリーバッグを見に移動したはずが前原がフラフラと店に入りなぜか私のパジャマを選んでいる。

前「だってお前こんな機会ねーとこんなん買わねーだろ？これを機に買っとけって」

『いや、確かに買わないけど…なんで前原に言われるの』

前「んなのどーでもいいんだよ。短パンダメならコレは？7部」

磯「まぁ…短パンよりは」

なんで決定権を磯貝が持ってるのかも疑問だけど、磯貝の目線がお母さんすぎる事も気になる。どこから処理すればいいかわかんない。

結局、7部丈にするってことで磯貝が折れて前原が選んだシンプルなりに可愛らしいパジャマを買わされた。
パジャマを選んで満足した前原は本命のキャリーバッグの時には飽きてしまいナンパしに行く始末。手に私のパジャマの袋持ってるからか全部撃沈。

磯貝はキャリーバッグもお母さんすぎる視点で一緒に選んでくれて使い勝手のいいのを選んでくれた。

そのまま2人は今日の事もあり家まで送ってくれた。荷物まで持ってくれて磯貝はわかりきってたけど前原もイケメンなんだな…。

明日、朝一で職員室に行かなくちゃ。