嫌いな貴方を愛してる【時透無一郎】

二話 ページ27

無「兄さん最近学校どう？」


有「そこそこ仲のいい友達が増えた」


無「そうなんだ。僕ね、言い忘れてたけど好きな人出来た。」



有「…そうか」


無「すっごく可愛い子なんだ。いっつも元気で、足が速くて、前向きで…」


有「分かった。分かったから」


Aの良さはもっとあるけど





あれ？Aがいる。


幻覚かな。いつもは来るの遅いし


『はあ〜寒ッ…久々早く家出たけど６時50分は早すぎたか…』


本物っぽい



無「あ…今日早くない？」


有「あっ一組の…Aだっけ」


『おっはよ〜寒いね、今日早く起きたから早く家出た』


無「通学路一緒だっけ？」


いつもは見かけないのに


『いつもは行くの遅いし、帰るのも友達待ちでよく遅くなるから気づかなかったよ』


思ったよりご近所さんだったみたい。嬉しいな。


有「どうせなら一緒に行くか」


ナイス兄さん！


『え？いいんすか？ありがと〜』


無「っそういえば2組に可愛い女の子いたよね、あの子紹介してくれる？」


何言ってんだ僕。


駄目だよ僕。


こんな事言ってたらAが僕のことを恋愛対象として見てくれなくなる。



有「おっ前！ほんっとそういうのやめろよ！」


兄さんにAが好きなことバレた。


この悪癖治らないかな…



『いいじゃん、人の恋愛の仕方はそれぞれだよ？』


無「そうだよ兄さん、ねえA、今度その子の事話してよ」


本当馬鹿。何言ってんだ。


知らない子の事を話させてどうする。



『いいよ、頑張ってね！』


やっぱり君は優しい


無「ありがとう！Aには助けられてばっかだな…」


優しい


『まああんま断れない性格だからさ…』


優しすぎる


でもその優しさで自分を傷つけるような人にはなってほしくない。


有「優しいな…」


『そうかな…！』


照れてる。可愛い


無「君のおかげで僕が笑ってクラスの中に居れてるしね」ﾆｺ


『あ…うん…』


有「どうした？無一郎、Aってそんな凄いことしたのか？」


無「まあ学校生活かえてくれたんだ」


有「すっご！ってかお前そんなﾆﾔﾆﾔすることか？」


『無一郎君…！その笑顔他の人に見せたら女の子特に死ぬからやめたほうがいいよ…』


有「おい、A熱あるのか？」


ほんとだ顔赤い


『え？特に…』


無「顔真っ赤だよ？」


『は？』


この寒さに負けたのかも。風邪ひかないようにね。







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