悪女になれない悪女さん

じゅうわ ページ11

〜Aside〜


まず、私が鬼殺隊に入った理由は

家族が殺されたからではない

友達が殺されたからではない

家が貧乏でお金が欲しいわけでもない

不幸だからお金が欲しいわけでもない

だれか知り合いが病に悩ませているわけでもない

じゃあ何で入隊したのかって？


理由は、二つある

お金が欲しい、

ご飯が美味しくなるように、だ

でも美味しい調味料を買うわけではない

私はご飯を食べることが好き

美味しいご飯が大好き

でも誰かが悲しんでたら、私も悲しくなって

ご飯を美味しく食べることが出来ない

皆を笑顔にしたい




どうすればいいのかなって考えてたら

友達から「鬼殺隊」という組織の存在を教えてもらった

どういうことをしているのかを聞くと、

「人食い鬼を倒して人を救い、報酬に大金を貰う」だってさ

最高の仕事だ

人を救い

笑顔にして

報酬のお金でも人を笑顔にできる



私は家族に相談した

「死なないって約束するなら応援する」

って言ってもらえて、

お守りもくれた




それから育手を

藤の花の家紋の家に住んでる友達に紹介してもらった

育手というか、現役の柱だった

“不死川実弥”さんと言う人だった

優しそうな人だった(・・・・・・・・・)

おはぎが好きらしくて

一緒におはぎトークをたっくさんした

修行は凄くきつかったけど、

修行の後に食べるご飯が美味しくて

辛さなんてすぐ吹っ飛んだ



最終選別に行く前には

せっかく貰ったお守りにいくつか傷があった

でもこのお守りを持って行った

藤襲山では、沢山の人がいた

真面目そうな二つ結びの女の子とか

大人しそうな髪が長い男の子とか、


皆に一緒に頑張ろうねって言ったら、

頑張ろうねって笑顔で言ってくれる人がほとんどいた



七日後

戻ったら人が少なくて

沢山の人が鬼に殺されたって分かった

ここにいない人の顔が頭の中に浮かんだ

皆は笑顔だ

笑顔だった

泣きそうになった




その日の食べたご飯は

しょっぱかった

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