無気力組なんでしょ？2【無気力組】

episode.43「有名」 ページ1

孤爪家へ居候させてもらうこと、

早一ヶ月が経とうとしている。


そんな中、私は最近気づいたのです。





「避けられてる…。」





女子から距離を置かれています。

理由は明確。





「A、教科書貸してー。」

「あーねむ…。A、膝枕して？」





居候先に住んでいるこの四人のせいだ。


調べたところ、四人は学校でとても有名らしい。


女子の間では『L4』と呼ばれている。
Lethagic(無気力)の四人組で『L4』。


それのファンクラブを『L4親衛隊』と呼ぶ。


きくと、親衛隊の創設者がほとんどの女子に、

私に関わらないようにと指示したらしい。





「はあ、なんだそりゃー。
私は被害者だっつーの。」





バフンと唯一の癒しのベッドへダイブする。


元から人見知りをするほうで

友達というのがいなかったけれど、

こんもあからさまに避けられるとショゲる。





「ねえA、ちょっといい？」

「んー、なに？」





蛍が扉の隙間から顔を覗かせる。

その表情はどこか落ち着かない。





「今週の土曜日、予定ある？」

「土曜…は特になにも。」





そう答えると、蛍は頰を緩める。


普段見せない評価をされて、

ほんの少しだけどきっとする。





「じゃあその日は予定入れないでね。」

「わかった…けど、どっか行くの？」





蛍は上機嫌に「お楽しみ」と残して部屋を出た。

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