無気力組なんでしょ？2【無気力組】

episode.45「カップル」 ページ3

なんとか電車を乗り切り、

目的地まで数分歩いた。


着いたのは大きくそびえ立ったデパート。






「ここ？」

「そう。結構新しいとこ。」






きらきらと目を輝かせる蛍は

自然と私の手を引いて歩き出す。


(なんかこれ、恋人同士みたい…。)


なんて悠長な事を考えていると

ぐいっと手を引っ張られる。






「A、ちゃんと前見て。
人多いからぶつかる。」

「う、うん。」






先程よりも握った手に力が入って

私のことをしっかり導いてくれる。


エレベーターに載って上に上がり、

降りると突然カップル率があがった。






「ここは…」

「これ。」






蛍の指さした方に視線を向ける。






「スイーツ食べ放題…
カップル限定。」






それを読んでこの階の雰囲気と

蛍の落ち着きのなさに納得した。






「カップルじゃなくても男女でこれば行けると思って。
カップル割もあるみたいだし。」

「なるほどね。」






店の前では大勢の人が並んでいた。


(今から並べば1時間は余裕で待つことになるかなぁ。)


なんて心配していたが、

蛍は予め予約を取っていたらしく、

すんなりと入店することが出来た。

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