Hello again【幸村精市】 (ページ2)

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「僕でよければ、その、案内しましょうか？」

「あ、えっと、うん、よろしく」

はいっ、と彼女は元気に答えた。

話してるうちに彼女についていろいろ知った。

共用スペースを挟んで俺の病室の真反対にいること、雨宮Aということ。入退院を繰り返してること。

言ってはいけないかもしれないけど正直病人とは思えないくらい元気だった。

最初はおとなしそうで女子って感じの女子だったのに。

同い年と知ったとたんこれだもん。

「へーテニス部なんだ。よくあんなちっちゃい球打てるね！あ、そーだ！今度さ、僕に教えてよ！約束だよ？！この病院、リハビリ用に……」

今度、テニス……か。

「って聞いてる？」

「うん、聞いてる。また今度ね」

いつになるか分からないけど。

「えっ？」

どうやら聞こえてたみたい。

「何にもないよ、あ、ここ、ここ。ありがとう、助かったよ」

「あ、うん、いやいやこちらこそ？」

「何で疑問形」

「さあ？」

あはは、と笑いながら彼女は帰って行った。

迂闊にもまた明日も会えたらいいのになとか思ったり……

頬が熱いのはきっと病室が暑いから。