がんばっても伝わらない ページ8
桃瀬家の一室で二人の幼いといえばそんなことも無いが大人と言うにはまだ早い男子二人が談笑していた。
もちろん桃瀬家の一室というのは桃瀬Aの部屋であり、男子二人とは黒尾鉄朗、孤爪研磨の事である。
…本人は居ないのだが。
先程『一緒に遊ぼう』という用件で桃瀬家を訪れたのだが生憎桃瀬Aは留守だということで帰ってくるまで待つことになった。
お母さんに許可を頂いたといえど女の子の部屋に入るのには躊躇したがまぁあの変人なら大丈夫だろうと言うことで落ち着いた。
そういう事で今なんの話題で盛り上がっていたかというと『桃瀬Aは鈍すぎる』という件だ。盛り上がっていたといっても一方的に黒尾が話し出しただけだが、
「研磨聞いてくれよ〜この前なんてな、
俺から恋バナ振ってな、たしかにあいつは興味無さそうだったんだけど
俺はあいつの好きなところたくさん上げてしかもあいつの特徴もたくさんあげたのにな、
クロはそんなにその子のこと好きなのね!応援してあげる!
としか言われなかったんだよ!!気づいてないのか流してるのか…気づいてないなら俺超溺愛してる女の子がいるのにほかの女の家にずかずか上がる奴じゃん…」
黒尾が話し終わってため息をついたあと研磨を見つめた。
おそらくこの話の流れだと次はお前の番だよ。ということだろう。
「俺は別に伝えようとしたことないけど…
ただ、俺は大切な人にしかこんな事やらないよ、って言ったらそうよね!私達親友だものね!…って」
何を隠そうこの二人は桃瀬Aが好きなのだ。
それ故小学生らしからぬキザな台詞を時々吐いているのだが全く気づく様子は無い。
本人はルート回避とキャラ萌えで忙しくてそんなこと気づく暇などないのだが二人はそんなこと知る由もない。
「ほんとアイツはなー!全然帰ってこないしあの変人どこでなにしてんのか、というか帰ってこれるのかなあのマヌケ!」
「よし大人しく天に召されろ黒尾。」
黒尾が言い終わると同時に入ってきたのは先程から話題に上がっていた桃瀬Aだ。
「…Aどこから聞いてたの?」
「えっ、どこからってほんとアイツはなーからだけど、お母さんが上に黒尾くんと研磨くんいるのよっていってて研磨に早く会いたくて!」
「え、俺は?」
は?と言われて力を強められた未だAに締めあげられてる黒尾は悲痛な叫びを上げた。
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マカロン - 設定がかなり斬新で読んでいてとても楽しかったです!ヒロイン役がどのようなキャラクターになるかが気になりますね。冬は寒いので風邪に気を付けてくださいね! (2017年12月24日 9時) (レス) id: 932de8349a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ - なんか、とっても続きが気になる作品です!!主人公ちゃんが幸せな終わり方を迎えられるのか...ワクワクしながら見守らせていただきます!!更新、無理をしない程度で頑張って下さい! (2017年11月26日 8時) (レス) id: 366a64e600 (このIDを非表示/違反報告)
和音 - 初コメ失礼します!!この作品めっちゃ面白いです!!更新楽しみにしてます! (2017年11月25日 18時) (レス) id: f0d773cbfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すかい | 作成日時:2017年11月25日 12時