信仰08 ページ10
探偵社の医者からAを介抱してやれという声が飛んだので取り敢えずソファの方にでもと思い細い手首を掴む。
そもそも誘っておいて俺より先に寝るとはどういう要件だ。
まぁいいかと思いつつその腕を引っ張るともう片方の腕も持ち上がった。
あぁん？と見上げると太宰が当然のようにAの腕を持ち上げ、今にもそのまま横抱きしてソファに導きそうな格好でいた。
「テメェふざけんなよ……。お前なんてお呼びじゃねぇからさっさとその汚ねぇ手ェどけろ」
「中也ァ、君女性の介抱なんて出来るの？お腹冷やさないように暖めてあげたり足の指先とか冷たくさせないようにしたり優しく丁重に扱わなきゃいけないんだよ？」
太宰はそう言ってすやすやと眠るAの腰元のラインをいやらしくなぞった。
たまらなくそれが不快で、まるで自分の所有物を好き勝手に扱われたような消失感が胸をつつく。
「……そいつに触んな」
「妬かないでよ中也。
彼女は元々私の部下。君よりも私は彼女のことを知っている」
その言葉に思わず反応し、Aの腕を離して太宰の胸倉を掴みあげた。
周りからは少し悲鳴のようなものが上がったがそんなものは全く気にならなかった。悲鳴なんていうものを浴びるのは慣れている。
太宰もそれは同じらしく、相変わらずのムカつく目でこちらを見下ろして薄ら笑いを浮かべていた。それに余計に怒りを誘われて太宰を思い切り睨みつけるがコイツにそんなものは効かない。
「お前は知らないだろうな」
「何をさ」
表情を一切変えないコイツが気に食わなくて、ついでに平和に眠るAにも苛立って俺は怒りに任せて口を割った。
「お前がポートマフィアを裏切った後、Aがどんな顔して過ごしてたかなんて」
＿＿＿＿＿お前には一生分からない
すると太宰の表情が揺らいだ。
コイツの仮面がはずれるなんて珍しいなぁと思いつつ、何処か勝利したような気分になってAの腕をもう1度掴んだ。
そのまま肩にアホヅラを背負い、諭吉を数枚置いてスタスタと店を出て行こうとする。
……が、振り返りはせずに立ち止まった。
「太宰」
今太宰がどんな顔をしてこの話を聞いているかは分からない。だがそんなことは大して気にならなかった。
「……コイツのことを分かってるつもりなら、もうコイツに近付かないでくれ」
それは、愚かな懇願だった。
そのまま店を出て、タクシーにAを放り込んだ。
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FR3kb7ywsKfcSOL(プロフ) - マジでそれな(^^)b (2020年5月29日 23時) (
レス) id: e1643b3add (このIDを非表示/違反報告)
真依(プロフ) - それな( ´-ω-)σ (2018年6月2日 8時) (レス) id: 510e192a85 (このIDを非表示/違反報告)
fuwari - 私は治くんが世界一大好きなのですが...その気持ちものすごくわかります（*'‐'*) (2017年3月9日 23時) (レス) id: f502c3a9d5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 無気力感さんとは趣味が合いそうです！！ (2017年1月22日 16時) (レス) id: 6ab3ea64fe (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 書いててそれ本当思ってました(´^ω^｀)wそこはツッコまないで頂けると嬉しいです(ｏ'3')b ｼ――――!! コメントありがとうございます(*´∀｀*)ww (2016年12月23日 21時) (レス) id: a57f2ac744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力感
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年11月20日 10時
