信仰07 ページ9
「アンタらさっきから火花飛ばしすぎだよ〜!いい大人が女の子取り合って何やってんだい!」
それは与謝野の声であった。
Aはもうぼんやりとしか意識はなく、双黒のやりとりを聞きたい一心ではあったが睡魔にはもうにも勝てそうになかった。
少女漫画ではヒロインが酔っちゃってはわわなんてことがよくあるがAはそんな状況に陥るタイプではなく、酔うとその気持ちよさに身を任せてそのまま眠ってしまうタイプの人間だった。
自分がおぶって帰ることになる中原に迷惑をかけまいと思う一心でかろうじて意識はあったが人の会話に耳を傾ける余裕があるレベルではなかった。
先刻からそんな様子のAとそれを挟んでやいやいとやりとりをする2人を見兼ねて与謝野が遠くから干渉したがそれは火に油を注いだだけだったらしい。
「こんな色気のねぇ女誰が取り合うかヤブ医者!」
「誰がヤブ医者だってぇ?その腕削ぎ落としてドブに落としてきてやろうか」
与謝野まで参戦してしまっては収拾をつけるものが居なくなる。
それは与謝野も自覚していた。が、先程の与謝野の発言に太宰は一切の否定をしてこないということはあの冷やかしのような発言はあながち太宰にとっては間違いではなかったということだ。
太宰には、Aを奪いたいという心が少なからずあるのかもしれない。……いや、単に茶々を入れているだけだろうか?
そんなことを考えながら与謝野は完全に夢の中に入ってしまったAを呆れ顔で見た。
時々太宰を見に来るからもう顔も名前も覚えてしまったのだが、ポートマフィアの者とは思えぬほど純心無垢で無邪気な子だということも記憶していた。
「アンタら、とにかくその子を介抱してあげな。酔ってそのまま寝てたら風邪なんてあっという間にひくからね」
遠くから声を掛けてそのまま飲みにもどる与謝野だが、直後後悔した。
これではまたふりだしだ。
振り返って見てみると案の定、太宰はAの右手を、中原は左手を手に取っていた。
どちらが介抱するかでどうせ揉めるが、もう放っておくかと与謝野は目をそらして一気に白ワインを飲み干した。
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FR3kb7ywsKfcSOL(プロフ) - マジでそれな(^^)b (2020年5月29日 23時) (レス) id: e1643b3add (このIDを非表示/違反報告)
真依(プロフ) - それな( ´-ω-)σ (2018年6月2日 8時) (レス) id: 510e192a85 (このIDを非表示/違反報告)
fuwari - 私は治くんが世界一大好きなのですが...その気持ちものすごくわかります(*'‐'*) (2017年3月9日 23時) (レス) id: f502c3a9d5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 無気力感さんとは趣味が合いそうです!! (2017年1月22日 16時) (レス) id: 6ab3ea64fe (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 書いててそれ本当思ってました(´^ω^`)wそこはツッコまないで頂けると嬉しいです(o'3')b シ――――!! コメントありがとうございます(*´∀`*)ww (2016年12月23日 21時) (レス) id: a57f2ac744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無気力感 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年11月20日 10時