信仰42 ページ45
太宰さんの唇は次に鎖骨あたりに落ちた。
そこの肌を噛んだり、甘噛みをしてみたり、時折舌を這わせたり……
何か太宰さんがアクションを起こす度に私はみっともなく声を漏らした。
鎖骨からその唇は段々と降りてきて、やがて胸に影を落とす谷で止まり、そこに太宰さんは官能的に舌を這わせた。
「ふ、ぅ……」
手首を拘束されているというこの状況で何かを握り締められないことがとんでもなく心細く、また声を出してはいけない気がしたので唇がちぎれるのではないかと思うほど下唇を噛み締めた。
……そもそも、本当は今頃別の接待先へ向かっているはずなのに……
接待役、完全に失敗だ……
首領や中原さんにどう言い訳を……
とその瞬間太宰さんは私のうなじにかぶりついた
「んんっ……!」
「今別のこと考えてたね?」
太宰さんがにやりと笑って目を合わせる。
けれどその目は全く笑っておらず、冷徹なまでの目付きの冷たさだった。
「私のことしか考えられなくしてあげようか」
するとドレスが少しずつたくしあげられていき、太股辺りでそれが止まる。
内股を指でいやらしくなぞられ、遊ぶようにその指が行ったり来たりを繰り返す。
その間にも太宰さんは私の首を舌で責めていたが。
「んっ、ん、……んぅ……」
下唇が痛い。
少しずつ血の味が広がっていくのを感じているから、多分本当にかなりの力で私は口を噛み締めているのだろう。
けれどそんなことに気は回らない。
太宰さんから与えられ続けるもどかしい程の快楽が私の脳や理性をぐちゃぐちゃに掻き乱して、時折彼の口からも漏れる吐息やそれに伴って溢れるカクテルの香りも私の脳を痺れさせる要因になっていた。
「……口開けて」
それに従うと太宰さんの骨張った細い指が口に突然侵入し、私は唯一直接的な快楽から逃れる下唇を噛み締めるという方法を失ってただただ戸惑った。
どうしよう……
ほん、とうに、
(……とろけてしまいそう)
すべてが太宰さんで満たされて、どろどろに溶かされてしまいそうになる。
これも信仰者の性というやつか、太宰さんの指令することには無意識に従ってしまっていた。
「……Aちゃん、こっち見て」
大人しく従って上を向くと、太宰さんの整った顔が降りてくる。
……私の唇に向かって。
嗚呼、これ
(……キス、しそう)
キス、して、いいのかな
こんなので
……そんなの
(……駄目)
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FR3kb7ywsKfcSOL(プロフ) - マジでそれな(^^)b (2020年5月29日 23時) (レス) id: e1643b3add (このIDを非表示/違反報告)
真依(プロフ) - それな( ´-ω-)σ (2018年6月2日 8時) (レス) id: 510e192a85 (このIDを非表示/違反報告)
fuwari - 私は治くんが世界一大好きなのですが...その気持ちものすごくわかります(*'‐'*) (2017年3月9日 23時) (レス) id: f502c3a9d5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 無気力感さんとは趣味が合いそうです!! (2017年1月22日 16時) (レス) id: 6ab3ea64fe (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 書いててそれ本当思ってました(´^ω^`)wそこはツッコまないで頂けると嬉しいです(o'3')b シ――――!! コメントありがとうございます(*´∀`*)ww (2016年12月23日 21時) (レス) id: a57f2ac744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無気力感 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年11月20日 10時