信仰39 ページ42
その瞬間体から痺れがふっと解け、金縛りも即座になくなる。
自由になった体が最初に起こしたのは、うつつに彼の名前を呼ぶことだった
「太宰さん……」
それが聞こえたのか太宰さんはこちらに目をやるが、その視線はとんでもなく冷たい目だった。
あまりにもそれが冷気を伴っているので私は押し黙るが、そんなことはいざ知らず幹部達が騒ぎ立てた。
「貴様……！ふざけおって、私の体をどう操った！」
「どうも操ってはおりません。ただ異能力を不遜なことに御使用されたるところを目撃してしまったので可憐な接待役であらせられる各組織の乙女らを救いに馳せただけのことに御座います」
「救いにだと！？
そもそも何故こちらが見えた！幻覚を張っていたはずだ！」
「私にはただ愚かで醜い野獣が美女を襲っているようにしかお見受け出来ませんでした」
太宰さんの前では異能を使った幻覚なんてなんの意味も持たない。せいぜい透け透けガラスくらいなものなのだろう。
「貴様どこの者だ！」
「申し遅れました。
此処横浜に拠点を置きます武装探偵社の社員、太宰治と申します」
探偵社という響きに幹部達の顔が曇った。そりゃそうだろう。
けどポートマフィアの接待役は簡単に襲うのに探偵社の社員は怖いのか。なんだか癪だ。
「ところで幹部様方……
視線を集めておいでですが、それに関してはなんの問題もありませんか？」
太宰さんがニッコリと笑う。
その瞬間幹部達は顔を真っ青にしてその視線から逃れるようになんでもないようなフリをしつつ酒をグラスに入れた。先程までの発言はどこに行った。とことん情けない人たちだ……。
接待役の人たちは次々席を立ち、逃げるように別の接待場所へ向かう。
良かった……誰かのトラウマにならなきゃいいんだけど。
そんなことを考えながら太宰さんに御礼を言おうとした瞬間彼に強く手首を掴まれて引かれた。
ドレスがくしゃりと歪んだのでそれを慌てて直しつつどこかに進んでいく太宰さんになんとか付いていく。が、太宰さんは何も喋らない。し、掴まれた手首が痛い……。
私も次の接待がある。ここで抜けるなんて駄目だ。
けれど太宰さんに呼びかけてもなんの返事も返っては来ないし太宰さんの雰囲気はいつもと違って本当にどこか怖かった。
会場を抜けた先にある部屋に雑に連れ込まれ、入った瞬間太宰さんは内から鍵を閉める。そこはオフィスのようで、月明かりに照らされたデスクにわたしは無理やり座らされた。
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FR3kb7ywsKfcSOL(プロフ) - マジでそれな(^^)b (2020年5月29日 23時) (
レス) id: e1643b3add (このIDを非表示/違反報告)
真依(プロフ) - それな( ´-ω-)σ (2018年6月2日 8時) (レス) id: 510e192a85 (このIDを非表示/違反報告)
fuwari - 私は治くんが世界一大好きなのですが...その気持ちものすごくわかります（*'‐'*) (2017年3月9日 23時) (レス) id: f502c3a9d5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 無気力感さんとは趣味が合いそうです！！ (2017年1月22日 16時) (レス) id: 6ab3ea64fe (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 書いててそれ本当思ってました(´^ω^｀)wそこはツッコまないで頂けると嬉しいです(ｏ'3')b ｼ――――!! コメントありがとうございます(*´∀｀*)ww (2016年12月23日 21時) (レス) id: a57f2ac744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力感
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年11月20日 10時
