信仰03 ページ5
中原さんと同じ部屋で泊まるのはこれが初めてじゃない。
私は中原さん唯一の直属の部下だから言ってしまえば秘書みたいなもの。ここに泊まった痕跡を残さずにホテルの手続き、偽名と偽の保険証で宿泊の手続きをその日にやると割と一つしか部屋が空いていないことが多いのだ。
勿論その度に寝顔を写真に収めまくってますけどねグヘヘ。
ベッドが一つしかない時とかダブルベッドの時とかは大抵中原さんがベッドを譲る。私がソファで寝ますと言っても絶対に聞いてくれない。変なところはフェミニストだなぁと思うけど、任務では女子供も容赦しない。仕事のON/OFFが上手な人なんだと思う。
今日はベッドが二つあるから助かったけどわたしは徹夜だ。報告書と敵アジト内の進路を書類に収めなければならない。
「まだ報告書出来ねぇの?」
「まぁ、はい……」
気だるそうにする中原さんクソかっこいいけど今は写真撮れない。クッソ。
「大丈夫ですよ〜。今日中には終わらせるので!」
「もう夜の12時半だぞ」
「私の中の1日は30時間なんですっ」
「どこのブラック企業だよ」
「マフィアにブラックも何も無いですよ」
「確かに」
フッと笑う中原さんに癒されつつ私はまたパソコンを叩く。報告書はもうすぐ片付くけどボスが仰った『敵の本拠地に潜り込んで異能力者を人質に取る』っていう無茶な命令に必要な地図作成に結構時間がかかりそうだ。
行路はもうわかってるしどこから侵入するかも決めてはいるんだけど、監視が結構きついんだよねぇ……。隠密な作戦だから私と中原さんの2人でするようにボスに言われてるし、武器持ちの部下は一切使えない。
とすると出来るだけ戦闘を避けたいから……
「A」
「あっ、はい!」
突然声を掛けられたので慌てて振り返ると中原さんがすぐ後ろに居た。
「なんですか?」
「……」
中原さんは何も答えずに私に近付き、私の耳元に口を寄せた。
「感謝してる」
……え?
ポカーンとしてしまった私をよそに中原さんはさっさとベッドに入ってしまう。
そのまましばらくポカーンとしていた私は、数十秒後激しく悶えることになる。
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FR3kb7ywsKfcSOL(プロフ) - マジでそれな(^^)b (2020年5月29日 23時) (レス) id: e1643b3add (このIDを非表示/違反報告)
真依(プロフ) - それな( ´-ω-)σ (2018年6月2日 8時) (レス) id: 510e192a85 (このIDを非表示/違反報告)
fuwari - 私は治くんが世界一大好きなのですが...その気持ちものすごくわかります(*'‐'*) (2017年3月9日 23時) (レス) id: f502c3a9d5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 無気力感さんとは趣味が合いそうです!! (2017年1月22日 16時) (レス) id: 6ab3ea64fe (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 書いててそれ本当思ってました(´^ω^`)wそこはツッコまないで頂けると嬉しいです(o'3')b シ――――!! コメントありがとうございます(*´∀`*)ww (2016年12月23日 21時) (レス) id: a57f2ac744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無気力感 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年11月20日 10時