信仰37 ページ40
「ほう、幹部補佐……」
「と言っても報告書や資料集めばかりで特に大したことはしていませんよ」
「いや、ポートマフィアの幹部補佐とはかなりの立場だ。素晴らしい。何か異能力を持っているのか？」
「いえ……お恥ずかしながら、何も持ってはおりません」
「とすると何か優れた才があるのだな」
それに当たるものは恐らくハッキング能力なんだろうけど、それは言うなと中原さんに止められている。まぁ、言うつもりは元々ないんだけど。
「経歴が長いだけですよ。大したことは何も出来ません」
「言ってはくれないのだね」
そう言ってその方はカクテルをグラスに注いで私に飲むよう薦めた。
このカクテルはなんだっけ……。
グラスを自分の少し近くに持ってきてから色や匂いを確認した。
…………ああ、思い出した。
カシスソーダ。
……酒言葉は『あなたは魅力的』。
それに気付いて口をつけようとしたそのグラスを置き、1度ドレスの裾を直した。
「……飲まないのかね？」
「あまりお酒に強くはないので……」
「その酒は度が一桁だ。気にせず飲むといい」
……飲みたくない。
先程からほぼ立て続けくらいに飲まされている。
度が弱いお酒を結構な量飲んでいるはずだがいつもより全く気持ちが良くない。不快な酔い方だ。
けれど時間はもう終わる。それなら1度飲んでしまって終わろう。
少しヤケクソになりながら酒を傾けると、先程まで外されていた腕がまた腰に回ってきた。
「……なぁ、うちに来る気はないか？」
どうやら私にはモテ期が来たらしい。
1度グラスを置き、体の向きを正した。
「今の給与の2倍の金額を支払おう。……いや、望むだけの額をやろう。私のものになる気はないかね？」
「……申し訳ありませんが、」
お断り致します、と言おうとした瞬間体にずしっとした重みがかかった。
うっ、と呻くような声が漏れる。
いや、漏れることは無かった。
金縛りにあったように体が動かなくなり、声すら出なくなってしまったのだ。
代わりにドレスの中を這う手の感触がして寒気が走るが、震えることすら許されないようにただ私は固まってしまう。
……なに、これ。
「私の異能力は一定のアルコールを摂取した者の体の自由を奪う能力。もう君は叫ぶことすらできないよ」
ああ、しまった
先程飲んでいた酒言葉をきちんと意識するべきだった
一番最初に飲んだ酒はアフィニティ。
酒言葉は『触れ合いたい』＿＿＿＿＿＿
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FR3kb7ywsKfcSOL(プロフ) - マジでそれな(^^)b (2020年5月29日 23時) (
レス) id: e1643b3add (このIDを非表示/違反報告)
真依(プロフ) - それな( ´-ω-)σ (2018年6月2日 8時) (レス) id: 510e192a85 (このIDを非表示/違反報告)
fuwari - 私は治くんが世界一大好きなのですが...その気持ちものすごくわかります（*'‐'*) (2017年3月9日 23時) (レス) id: f502c3a9d5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 無気力感さんとは趣味が合いそうです！！ (2017年1月22日 16時) (レス) id: 6ab3ea64fe (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 書いててそれ本当思ってました(´^ω^｀)wそこはツッコまないで頂けると嬉しいです(ｏ'3')b ｼ――――!! コメントありがとうございます(*´∀｀*)ww (2016年12月23日 21時) (レス) id: a57f2ac744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力感
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年11月20日 10時
