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信仰36 ページ39

その時太宰はらしくもないスーツの首元を緩めながらポートマフィアの方を見ていた。


別に好き好んで彼らを見ているのではなく、ただ彼女を___佐倉Aを探していた。


どこにもそれらしき姿はなく、まさかもう警護にでも行ってしまったのだろうかと考えるが律儀な彼女が挨拶の一つもせずにさっさと行くとは考え難い。


それに彼女は幹部補佐だ。どこの組織にも挨拶の一つでもしなければいけない立場なのだ。


挨拶しに回らなくても済む立場はせいぜい接待役くらい……


そこで太宰は『まさか』と思い探偵社に挨拶をしに来た中原の方へ向かった。本当は彼に話しかけるだけでも嫌で嫌で仕方が無いのだが。



「中也、ちょっと来てくれるかい?」


「あァ?この世で一番気持ち悪ィ誘いだな」


「飲みの誘いな訳ないだろう。
……Aちゃんはどこ?」



その名前を聞くと中原は顔付きを変え、太宰を冷たく見据えた。



「警護に回らせた」


「へぇ。幹部補佐が挨拶の一つもなしに警護かい?」


「他の幹部補佐は出てる。
毎回ポートマフィアの警護は妙に頼られんのは知ってるだろ」


「けど彼女は異能力を持たない。
挨拶をさせずにわざわざ警護に回す人員だとは思えないけど?」


「今年はそう決定しただけだ。
アイツも挨拶に回りたがってたけどな」



お前となんか会話したかねーんだよ、と言いながら中原はさっさと太宰に背を向けた。


元相棒の不可解な理屈と嘘に太宰は気付きつつあり、その上で中原が去った後も会場内を舐めるように見ていた。


……彼女は、この会場の何処かに居る。


そんな根拠も無い確信を手にしつつ、太宰は手に持つカクテルを飲み干した。



*______*



「次の接待役を務めさせて頂きます。佐倉です」


「おやおや、また美しい人が来たもんだ」



先程よりは穏やかそうなふくよかな体型をしたおじ様が自分の隣をぽんぽんと叩いた。

そこに座れということか。

この組織の方々は1人1人が綺麗な接待役と話されていて、全員が接待役を独り占めをしているようだった。

うーん、さすが巨大組織……うちに匹敵する規模らしいんだよねこのファミリーは。

大人しくそれに従って座ると、その瞬間腰に手を回されて引き寄せられた。

なんとなく察しはついていたから驚きはしなかったけど、前言撤回。この人は穏やかさなんて持っていない。

持っているのは接待役を厭らしく見る目だけだ。

半ば嫌になりながら大人しく目を閉じた。

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FR3kb7ywsKfcSOL(プロフ) - マジでそれな(^^)b (2020年5月29日 23時) (レス) id: e1643b3add (このIDを非表示/違反報告)
真依(プロフ) - それな( ´-ω-)σ (2018年6月2日 8時) (レス) id: 510e192a85 (このIDを非表示/違反報告)
fuwari - 私は治くんが世界一大好きなのですが...その気持ちものすごくわかります(*'‐'*) (2017年3月9日 23時) (レス) id: f502c3a9d5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 無気力感さんとは趣味が合いそうです!! (2017年1月22日 16時) (レス) id: 6ab3ea64fe (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 書いててそれ本当思ってました(´^ω^`)wそこはツッコまないで頂けると嬉しいです(o'3')b シ――――!! コメントありがとうございます(*´∀`*)ww (2016年12月23日 21時) (レス) id: a57f2ac744 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無気力感 | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年11月20日 10時

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