信仰35 ページ38
「っぷし!」
また独特のくしゃみをしてしまい、組織の方々から目を背ける。
うへぇ。何でこんなタイミングにくしゃみなんて出るんですか……。
「風邪かい?」
「い、いえすみません……」
「寒そうな格好だからねぇ。まぁ綺麗な肌だから晒すのも悪くはないが……」
ねっとりと舐め回すような視線で見られてゾクッとする。
組織の方々は6人。
全員に変な目線を向けられている気がして鳥肌のようなものが立つ。もしかしたらくしゃみが出たのはこれのせいかな。
早くここから抜けたい……。
ちらりと隣の方の高価そうな時計を見ると、あと数分でここの接待が終わるところだった。
良かった。これ以上はここにいたくない……。
「しかし本当にお綺麗だね。
ポートマフィアにこんな純真そうな方がいるとは意外だな」
「いえそんな……勿体無いお言葉です」
「ご謙遜を」
すると太股に手を置かれる。
ゾッという寒気が走って、手を置いた方が厭らしく笑った。
「……うちに来ないか?」
「へ……?」
「ポートマフィアなど血
正直衝撃だった。
首領や中原さんの言った通り、こういった勧誘が必ず何処かで行われているのだ。
けれど不思議なことに光栄とは微塵とも思わなかった。
「……恐れ多いのですが、」
「悪い話じゃないぞ?金も払おう。権力も与えよう。現在の仕事よりもよっぽど楽な仕事にしてやろう」
するりと肩に手を回され、直に肌に触れられたことへの嫌悪感が頭を突き抜けた。
嫌だ……気持ち悪い……
けれど思い切り払うわけにもいかず、私は顔を逸らすことしか出来なかった。本当は今すぐ投げ飛ばしたい。誰がポートマフィアを辞めるものか。信仰者云々ではなく、私は今の職が好きだ。
「なぁ、どう_____」
「その話、アタシが聞いてもいいかい?」
その瞬間テーブルにガンッとヒールが置かれ、とんでもなく美人な方がニィっと不敵に笑った。不敵というかそれはもう殺気すら含んでいて私はさっきまでとは別の意味で鳥肌が立つ。
……あ、この人探偵社の……
「素敵な勧誘話だねェ。
乗ってもいいかい?」
「き、君は……」
刹那与謝野さんに手を引かれ、早く行きな、と小声で声を掛けられた。
い、イケメンです……!
その後アルマファミリーの方々がどうなったかはさておき、私は次の接待先の方に駆け出した。
今度何かお礼します与謝野さん!
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FR3kb7ywsKfcSOL(プロフ) - マジでそれな(^^)b (2020年5月29日 23時) (レス) id: e1643b3add (このIDを非表示/違反報告)
真依(プロフ) - それな( ´-ω-)σ (2018年6月2日 8時) (レス) id: 510e192a85 (このIDを非表示/違反報告)
fuwari - 私は治くんが世界一大好きなのですが...その気持ちものすごくわかります(*'‐'*) (2017年3月9日 23時) (レス) id: f502c3a9d5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 無気力感さんとは趣味が合いそうです!! (2017年1月22日 16時) (レス) id: 6ab3ea64fe (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 書いててそれ本当思ってました(´^ω^`)wそこはツッコまないで頂けると嬉しいです(o'3')b シ――――!! コメントありがとうございます(*´∀`*)ww (2016年12月23日 21時) (レス) id: a57f2ac744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無気力感 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年11月20日 10時