信仰25 ページ28
中原さんに連絡を取り、ポートマフィア代表の接待役に選ばれたことを言うと『え、マジで……？』と随分間抜けな答えが返ってきた。可愛い。
取り敢えず中原さんに言われたバーまで向かうけど一体どんな厭味を言われるか分からない。お前なんてとか言われても正直仕方ないし特にどうとも思わないけど、なんでバーに呼んだんだろ？
前祝勝会！なんて言って向かったバーと同じだけど当然探偵社の皆さんの姿はない。
けれど中原さんの姿もない。
……あれ、どこにいるんだろ。
(先に飲んでいようかな……)
そんなふうに思ってバーカウンターに座ると、まだ何も頼んでいないのにスっとカクテルがオーナーによって差し出された。……え？
「あちらのお客様からです」
見てみるとそこには隅で度のきつそうなカクテルを傾ける中原さんがいた。こちらに気付くと中原さんはニヤリと笑った。
それがあんまりにもカッコ良かったのでジタバタ暴れたかったけど心を落ち着かせながら座る。
それにしても何のおつもりなんだろうか？
差し出されたカクテルは濁った透明色で、ライムの香りがアルコールと混じって匂ってきた。明らかに度のきついお酒だ。
私アルコール1桁しか飲めないのに……。
「そちらはマルガリータで御座います」
「マルガリータ？」
「ええ。テキーラ、ホワイトキュラソー、ライムジュースのシェイクで作るカクテルです」
「へ、へぇ……」
テキーラ……？
それ最低でもアルコール20%はあるんじゃ……。
ま、まぁいいか。
取り敢えず口をつけてみると瞬時にライムの苦味と酸味が舌に触り、わっと強いアルコールが脳を突き抜けた。
……あ、美味しい。
もう一口……と少し流し込もうとすると「アホ！」という声と共に脳天にチョップが落とされた。いったい！
「飲んでどうする馬鹿かテメェは」
「え、えええ……下さったのは中原さんじゃないですかぁ……」
「それが駄目だっつってんだろ。俺や部下が一緒にいる時ならまだしも、1人の時にそれやるとあっという間に夜の繁華街に連れて行かれんぞ」
「なんでですか……」
不満げに中原さんを見ると、彼は私の持っていたカクテルを奪って一気に飲み干してしまう。
う、それって間接キ……いや、なんでもない。
っていうか20%をよく一気飲みできるなぁ……。
飲み終えるとグラスを置いて中原さんは私に問うた。
「お前まさか酒言葉を知らねーのか？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 945人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
FR3kb7ywsKfcSOL(プロフ) - マジでそれな(^^)b (2020年5月29日 23時) (
レス) id: e1643b3add (このIDを非表示/違反報告)
真依(プロフ) - それな( ´-ω-)σ (2018年6月2日 8時) (レス) id: 510e192a85 (このIDを非表示/違反報告)
fuwari - 私は治くんが世界一大好きなのですが...その気持ちものすごくわかります（*'‐'*) (2017年3月9日 23時) (レス) id: f502c3a9d5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 無気力感さんとは趣味が合いそうです！！ (2017年1月22日 16時) (レス) id: 6ab3ea64fe (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 書いててそれ本当思ってました(´^ω^｀)wそこはツッコまないで頂けると嬉しいです(ｏ'3')b ｼ――――!! コメントありがとうございます(*´∀｀*)ww (2016年12月23日 21時) (レス) id: a57f2ac744 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無気力感
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年11月20日 10時
