信仰20 ページ23
部下の方から連絡が入った。
『ボスがお呼びです』
私はあの人に、どんな顔をして何を話せばいいのだろう。
「佐倉です」
その言葉で黒スーツの構成員達は銃を下ろす。
そのままボスの待ち構えている最奥の部屋まで向かい、大きな扉へと進む。
構成員の2人がそこへ
エリス嬢の姿は無く、ボスは相変わらず何を考えているか分からないような笑顔で「やぁ」とこちらに笑いかけた。
「ボスからの招集及びご要件の旨を直接伺わせて頂く機会に感謝致します」
「そんな堅苦しい社交辞令は要らないよ。
聞きたいことは一つだ___」
ボスの目を真っ直ぐに捉えながらこれから発される質問に耳を傾ける。
「太宰くんからは何も聞いていなかったかね?」
「はい。
最近は太宰さんのお仕事もロクに知り得ない状況でした」
「と、言うと?」
「後から伺ったのですが、その……ミミックという組織の件について私は太宰さんから情報を完全にシャットアウトされていまして。お恥ずかしながら、ココ最近のポートマフィアの現状はほとんど知りませんでした」
「成程太宰くんらしい」
「え?」
「いいや。君の言動に嘘は無さそうだからね、一部では君が今この時も太宰くんにポートマフィアの現状などの情報を渡しているのではないか、なんてのが回っていてね。しかしこれでは被害者だ」
まぁ、そりゃそうか。
私なら太宰さんに情報を回しているのも納得が行く。当然回る噂だろう。
「君の異動については後日連絡するよ。それまでは自宅待機を命ずる」
「……分かりました」
てっきり太宰さんの捜索に駆り出されるかと思っていたんだけどな。
するとボスはふっと嘲笑紛いの笑みを零した。
「その間に太宰くんを君の技術で見つけ出し、追い掛けて行ってもいいんだよ?」
思わず息が詰まる。
……本当に、人を見透かした人だ。
「君なら街中の監視カメラに繋いでモニターで見つけ出してしまうことも可能だろう?」
「それを分かっていて、私にはさせないんですか」
「君が望むならポートマフィア内の全モニターを君に預けてもいい。だが君はしない。だろう?」
「……私に、太宰さんを見つけられる筈ありませんから」
仮に見つけられたとしても、それを部下に指示した時点で太宰さんはきっともう逃げてしまっている。
ボスはただ笑って、私に下がるよう仰った。
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FR3kb7ywsKfcSOL(プロフ) - マジでそれな(^^)b (2020年5月29日 23時) (レス) id: e1643b3add (このIDを非表示/違反報告)
真依(プロフ) - それな( ´-ω-)σ (2018年6月2日 8時) (レス) id: 510e192a85 (このIDを非表示/違反報告)
fuwari - 私は治くんが世界一大好きなのですが...その気持ちものすごくわかります(*'‐'*) (2017年3月9日 23時) (レス) id: f502c3a9d5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 無気力感さんとは趣味が合いそうです!! (2017年1月22日 16時) (レス) id: 6ab3ea64fe (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 書いててそれ本当思ってました(´^ω^`)wそこはツッコまないで頂けると嬉しいです(o'3')b シ――――!! コメントありがとうございます(*´∀`*)ww (2016年12月23日 21時) (レス) id: a57f2ac744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無気力感 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年11月20日 10時