信仰14 ページ17
それからというもの私は頻繁にあのバーに通うようになった。
たまに坂口さんや織田作さんに会うこともあって、その度に色んな話に付き合ってくれたり色んなお話をして下さったりした。
織田作さんはわたしの話の聞き手に回ることが多く、たまにお仕事のアドバイスも頂いた。あと頼んだら太宰さんのエピソードも話して下さいました。本当にありがとうございますご馳走様です。
坂口さんは守秘義務のお仕事以外のことは色々とお話してくれました。勤勉そうな方だなと思っていたけど意外と話しやすくて、お仕事のこと以外にも色んな雑談をしました。何故か情報員集めや資料集めならいつでも手伝うと私のお仕事のことを心配してたんですが何故でしょう。
けど私は、太宰さんが飲みに行かれる時は決まってバーに向かいませんでした。
あの３人は本当に不思議な雰囲気をお持ちで、時々疎外感すら感じてしまうほどで……。だから、３人の時間を私が邪魔しては駄目だと思いました。多分３人とも私のことを邪魔だなんて思わないとは思いますが、男の友情というやつに女の私が介入するのもいかがなものかと。やっぱり邪魔だよ私なんてね。
そんなふうにしてお2人と知り合ってから……数ヶ月、程でしょうか？
そのくらい経った頃、
私のお仕事は太宰さんによってスパーンと割り当てられなくなりました。
何も、です。
何もさせてもらえなくなりました。
他の方と話をするのもほとんどなくなり(恐らく太宰さんが少し手を回していたはず)、バーに向かうことも禁じられました。
理由を太宰さんに尋ねると、少し笑ってこう仰ったんです。
『危険だから』
危険だから、なんて理由で
書類作成に規制をかけるはずないじゃないですか。
太宰さん、何を隠しているんですか。
そう問おうとしても、言葉が出てこなかった。
私の全ては太宰さんに捧げてきた。太宰さんの言う通りにしてきて数年間。1度も間違ったことなんてなかった。
だから今回も、これで正しいのだと
……これで、いいのだと
嗚呼、どうして
どうして踏み込まなかったんだろう
あの時太宰さんの支えになってあげれていたら
いや、せめて太宰さんの身の回りで起こっていることくらいはパソコンを叩けばすぐに出てきたはずなのに、どうして何もしなかったんだろう
役に立てなくてもよかった
ただあの時
あの時、太宰さんの腕を掴んで止めていたら
……そう思うと、今でも涙が出てくる
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 945人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
FR3kb7ywsKfcSOL(プロフ) - マジでそれな(^^)b (2020年5月29日 23時) (
レス) id: e1643b3add (このIDを非表示/違反報告)
真依(プロフ) - それな( ´-ω-)σ (2018年6月2日 8時) (レス) id: 510e192a85 (このIDを非表示/違反報告)
fuwari - 私は治くんが世界一大好きなのですが...その気持ちものすごくわかります（*'‐'*) (2017年3月9日 23時) (レス) id: f502c3a9d5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 無気力感さんとは趣味が合いそうです！！ (2017年1月22日 16時) (レス) id: 6ab3ea64fe (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 書いててそれ本当思ってました(´^ω^｀)wそこはツッコまないで頂けると嬉しいです(ｏ'3')b ｼ――――!! コメントありがとうございます(*´∀｀*)ww (2016年12月23日 21時) (レス) id: a57f2ac744 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無気力感
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年11月20日 10時
