一円五十二枚 ページ22
「ふざけんなよ………」
悪態をつきながら棚を漁る。
無い。無い。
金庫には？
番号が分からない。アウト。そもそも牛島は金庫には金しか入れない。
しかし、刹那した扉の開く音に反射的に身が強張る。
「何やってるの？月島クン」
______天童。
あー、厄介なのに捕まった。
「何も？」
笑顔でそう言うと、天童さんも笑って「へぇ」と言う。
「若利クンの部屋で、何してるのって聞いてんだよ」
「………」
まぁ切り抜けられないよな。
「いえ。この部屋アンティークが凄いですよね。僕も大手買い取り人の端くれなんで、拝見させてもらっていました。無断で入ったことは後で牛島さんに謝罪しておきますね」
それでは、と言って立ち去ろうとするが天童さんは入り口から退いてくれなかった。
あくまでも両者共に笑顔を崩さない。
やっぱり、この人とは同族嫌悪が働くようだ。
「………俺はね」
天童さんは、その笑顔のまま話し始めた。
「若利くんの商売に関しての知識は凄いと思ってるけど、裏社会の知識に関しての若利くんの辞書には、『疑う』っていう言葉がないんだ」
それは、なんとなく感じる。
純粋すぎるところがあるような、そんな感じ。
「だから俺が、"疑う"役なの。
君に黒尾達を裏切る程の動機があるとも思えない。ずっと注視してきたけど案の定、証拠探しか」
バレバレだったか。
やはりこの人は侮れない。
「どうせ、黒尾達がお前を裏切ったと完全に思い込ませないと演技じゃ俺にバレると思ったんだろ？だからあの子にも何も言わなかった。は〜、カッコイイねぇ、月島クン」
茶化すように言われるが、今の僕にはキレる暇は無かった。
けれど、『ネタバレ』をしなければ僕の仕事は成し遂げられない。
「残念でしたね。
本当にカッコイイのは、"スペア"の僕じゃない」
ニヤリと笑ってやると、天童さんの笑顔は容易くとれた。
「まさか」
「そのまさか」
察したのか部屋を出ようとする天童さんに向けて銃を構える。
「こんの………眼鏡小僧が」
「その眼鏡小僧から忠告を一つ。
一歩でも動いたら撃ちます」
反撃開始のサイレンは、もうとっくに鳴っている。
『繋いでも』
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つぶ@しょくだ(プロフ) - ツンデレメガネとクーデレ癖毛って事は2人ともデレがあるんですね!? (2016年9月20日 15時) (
レス) id: 00aed15630 (このIDを非表示/違反報告)
ワサビーム(プロフ) - 無気力感さん» www あ、元ワサビしらたまです (2016年4月10日 0時) (レス) id: 4ee0338bf1 (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - shadeさん» わわわ、長文のコメントありがとうございます。ミッションインポッシブルwww確かにwww全員を活かすような作品が作りたかったんですが、力及ばずです(´・ω・`;)ですがそんな風に言って頂けて光栄です。 (2016年4月9日 23時) (レス) id: 4d271d24e6 (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - ワサビしらたまさん» …………(ﾟДﾟ)ﾊｯ！ (2016年4月9日 23時) (レス) id: 4d271d24e6 (このIDを非表示/違反報告)
shade - 木兎さんが裁判の時の登場シーンでミッションインポッシブルを想像してしまったｗｗｗ本当にいいキャラです(*´▽｀*)ツッキーも！味方って信じてた！！(ノД`)・゜・。裏切り！？ってすごいびっくりしたけど… (2016年4月9日 22時) (レス) id: 83b62e5581 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力感
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年12月26日 9時
