失いたく無い。 ページ38
ふと、周りを見ると倒れている人達が見える。毒の効果が見え始めてきたのだろう。鏡花達は大丈夫だろうか。そう思い、辺りを見回すと鏡花と敦君は看病している人と行動している様だった。治と中也は烏間先生と何か話している様だった。
貴「何を話してるの？」
中「アァ、翠麗か。さっき電話が掛かって来てな。一番小せぇ男女で来いだとよ。そんで如何するか話し合ってたんだ。」
貴「電話の内容を教えて。」
烏「其れは俺から話そう。」
聞いてみれば今回の犯人は恨みを持って此のE組を襲っている事が分かった。一番小さい男女......渚とカエデを選んだ理由も気になるが一旦置いておこう。
貴「烏間先生にも伝えておこうと思うのですが、皆んなを襲った毒についてです。先程トロピカルジュースに今回使われたであろう毒を検出しました。ですが、犯人の言っていた通りにはならないと思います。恐らく今回雇われた毒使いと称しましょう。其の者が主犯を裏切ったのでしょう。」
烏「な！？其れは本当か！！」
貴「はい。ですので治療薬は取りに行かずとも安静にしていれば良い筈です。ですが、主犯の怒りを買うと厄介です。其れに皆んなを早く治してあげたい。ですので此処は動ける者全員で行くのが最適解だと思います。」
烏「......」
沈黙が続く。烏間先生の考える事も分かる。私はポートマフィアだ。裏社会と繋がりがあればいくら相手を知っても疑うのは当然だ。其れに生徒に危害が加わるかもしれない。そんな場所に連れて行くのはあまりにリスキーだ。だが、其れは普通の中學生ならの話。私達は暗殺教室で学ぶ生徒なのだから。
貴「烏間先生。」
烏「なんだ？」
貴「私達は強いです。あの教室とやるべき事は同じ。違うのはターゲットと場所だけ。後は全て同じなんですから、此処はもう私達のテリトリーです。」
＿＿＿もう誰も失いたく無いんだ。
烏「！分かった。君を信じよう。」
殺「ヌルフフフフ。自分に自分達に誇りを持つのは良い事です。翠麗さんの云う通りです。皆さん動ける人は汚れても良い格好で！！全員で乗り込みますよ！！」
E「「はい！！」」
皆んなの意思が固まった瞬間だ。私はこの光景を失う訳にはいかないそう思った。
太「私達も出来る事は何でもしよう。」
貴「其れなら犯人の確信が欲しい。情報提供をお願い。ハッキングならお手のものでしょ？監視カメラの映像も欲しい。」
太「了解。」
貴「中也は私に付いて来て。生徒が危ない時は守らなきゃだから。」
中「分かった。」
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作者名：蜜柑食堂 | 作成日時：2023年3月2日 21時
