悪魔 ページ37
精神的には物凄く削れた....。うん。有難う翠麗さん.....。殺せんせーは触手で顔を覆って唸っている。其処で映像にナレーションが入る。
『さて、此処までお気付きだろうか。殺せんせー。足元を見てみてください。』
殺「!!」
その隙に翠麗さんを始めテストで一位を獲った人達が一気に触手を奪う。計8本。動きがだいぶ鈍くなる。僕達は水の檻を作り千葉くんと速水さんの位置を分からなくする。更にわざと当てない射撃を休まず撃つ。殺せんせーは急な環境の変化や当たらない攻撃に滅法弱い。そして山奥に居ると思われている千葉くんと速水さんは水の中にいる。不意打ちを狙えば行ける。
そうして2人が銃を撃つ。その瞬間辺りが白く光る。僕達は思わず目を閉じる。やがて光が収まる。其処には殺せんせーの姿はなく代わりに顔が入った透明とオレンジの変な球体。
何アレ!?
殺「ふぅ」
貴「やっぱりダメだったか。」ボソッ
誰にも聞こえないように小さな声で翠麗さんが呟く。僕の良すぎる聴力は其の声を捉えていた。やっぱりって事は分かってたのかな?
殺「これぞ先生の奥の手の奥の手“完全防御形態”!!」
E「「完全防御形態!?」」
聞いてみれば『完全防御形態』其れは本当に打つ手無しの殺せんせーの奥の手だった。傷を付けようとしても絶対に傷つかない。暫くは其の儘。皆んな顔が曇っていく。
貴「成程。そんな事も出来るんですね。でも....」
不敵な笑みを浮かべる翠麗さん。カルマくんも笑っているし嫌な予感しかしないが、止めないでおこう.....。巻き込まれたくはない。
貴「暫く動けないって事は悪戯し放題じゃないですか。」
ふふ。っと笑う其の弧を描く口元に魅了される。目元は獲物を見つけた狩人の様。其の瞳は美し過ぎた。其の美しさゆえか将又獲物を捉えて離さない恐ろしい目をしていたからなのか。
恐怖。其れを皆は感じた。
殺せんせー.....御愁傷様です.....。僕達は静かに心の中で手を合わせた。
殺「ニュヤッ!?」
貴「こう云う時こそ悪戯が捗ります。」
赤「ねー。」
そう言って業君と翠麗さんは殺せんせーにスマホを向ける。
殺「やめてくださいカルマ君!翠麗さん!手が無いから顔を覆えないんです!!」
赤「えー。じゃあさっき拾った奴はっ付けとくね。」
殺「ぎゃああああああ!!」
翠麗さんは僕達の知らない殺せんせーの写真をスライドさせ乍ら見せる。
赤「誰か不潔なおっさん連れてきてー!此れパンツにねじ込むから!」
殺「や、辞めてぇ!!」
悪魔だ...。
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作者名:蜜柑食堂 | 作成日時:2023年3月2日 21時