一寸した悪戯 ページ26
今日も無事何事も無く授業が終わる。私は教室の或る方向を向いてぼーっとして居た。そして声を掛けられる。
磯「翠麗も来ないか?分からない処教えてほしいし。」
そう云い私に図書室の利用予約のチケットを見せて来る。自分的には行きたいが少し気になった事があるので其方を優先したい。
貴「少し私は遠慮しておくよ。亦次の機会にでも教えよう。」
磯「分かった。じゃあ亦今度。バイバイ!」
磯貝君達は本校舎へと足を運んで行った。私もそろそろ帰ろうか。あの子達の様子を見るためには準備が必要だ。私は教材を鞄に詰めて席から離れる。
貴「さよなら。」
私は教室から出て行き。坂を下り旧校舎から見えないであろう位置から森の中へ足を運ぶ。
貴「此処で佳いかな。」
私は少しの間涼んでいた。少し時間が空いてそろそろ佳い時間だろうと思い鞄を置いて旧校舎に戻る。私は窓から少し顔を覗かせる。
貴(タイミングは佳いみたいだね。)
私は教室の中で勉強をしているであろう寺坂組を見ていた。私の気になっていた事とは此の事だ。私は上履きに履き替える。そして教室のドアを開ける。寺坂組は集中している様で気付かない。私は其の儘寺坂の後ろに立ち声を掛ける。
貴「ふふ。家庭科への備えは捗っているかい?」
寺坂組「「うわぁっ!」」
寺「テメェ!どっから入って来やがった!?」
貴「何処って、ドアから。」
皆んな吃驚した様で声を上げては私の方を見て少しの間固まっていた。特に寺坂は反応が面白い。固まりはしたが直ぐに声を荒げていた。其の様子が面白くて亦機会があれば寺坂を驚かそうと思った。私は机に広げてある問題集、過去問、教科書を見る。そして私は口角を上げる。
貴「殺せんせーへの悪戯の為だ。私も入れて。」
吉「悪戯?」
貴「そう。悪戯。」
松「どう云う事だ?」
貴「だって、5教科の中に家庭科が入るだなんて思わないじゃ無いか。ふふ、そんなの殺せんせーの面白い顔が見れるに決まっているだろう?殺せんせーを驚かせてやりたい。」
狭「アンタも中々性格悪いじゃ無い。でも、面白白そうね。」
寺「佳いぜ。俺達も其の話乗った。殺る気は十分だ。」
貴「ふふ、有難う。之れは面白いことになりそうだ。私も気合を入れて教えよう。」
寺坂組は私が来た時とは違ってクラスの輪の中に入れている様な気がする。其れはきっとプールでの暗殺が何かキッカケを作ったのだろう。後で聞いてみよう。
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作者名:蜜柑食堂 | 作成日時:2023年3月2日 21時