なつやすみ＊じろ ページ6
朝ごはんを食べた後から、四郎の様子がおかしい。
部屋にこもって、引き出しをあけたり、探し物をしてるみたいだ。
「手伝おうか？」
そう声をかけても、一人でやると言って何を探しているのかは教えてくれないんだ。
昼ご飯の時間になっても、四郎は探し物を続けていて、お母さんが呼んでもなかなか降りてこなかった。
「しろ〜！ごはん食べ始めちゃうわよ〜！」
5度目くらいの声かけに、ようやく2階から降りてきた四郎は、両手に大小様々な缶や箱を持っていた。
「どうしたの？」
思わず聞くと、四郎は黙ってお母さんの前にその缶や箱を置く。
「これ全部あげる。さぶくんに使って。」
四郎の言葉にお母さんは首を傾げてる。
お母さんは目の前に置かれた缶の蓋を一つ開ける。
「これ、しろが一生懸命貯めてるお金じゃない。どうしたの？」
「…いらないの。全部いらない。
これから先、お小遣いもいらない。
……ゲームもいらない…。
だからさぶくんのこと治して！」
四郎は真剣だ。
泣きながらお母さんに訴えてる。
一体どういうことなんだろう。
「どうしたの？しろ？何言ってるの？」
四郎の目を見て、お母さんが優しく聞く。
「……ヒック……ごめんなさい…さっき、お母さんが……病院の先生と電話で話してるの聞いちゃったの……。」
「電話？」
「…うん。朝の…」
「うん、それで？」
「高すぎて出せないって。
出してあげたいけど、出せないって言ってた……。
さぶくん元気にするのに、お金がかかるんでしょ….…。
ならもう、お小遣いなんていらないから。だから、お願い………。」
四郎が話を終えると、お母さんは四郎のことを優しく抱きしめた。
「それで、さぶのためにに使おうと思って、しろが一生懸命貯めてる貯金箱、もってきてくれたの？」
「それならぼくも！ぼくもさぶにぃにあげる。」
元気になって起きてきた五郎も、そんなことを言い出した。
もちろん俺だってそれで三郎が元気になるなら…
でも……
「………これじゃ足りない？」
4年生の僕からすれば、小学生が貯めたお金で何とかなる問題ではないことはわかる。
でも、四郎は必死だ。
「ううん、十分よ。十分。」
お母さんはそんな四郎に、優しくそう答えた。
「ほんとう？」
「うん、しろのその気持ちだけで十分。」
「でもそれじゃあ…」
「あのね、しろ。それからみんなも話を聞いて。」
そう言ってお母さんは僕たちの顔を見て、ゆっくり話し始めた。
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koyu(プロフ) - ｢夏祭り｣お疲れ様でした。久しぶりに仲良し兄弟にあえて嬉しかったです。また兄弟に会えるの楽しみにお待ちしています＼(^^)／ (2016年10月6日 23時) (
レス) id: f516abc7b6 (このIDを非表示/違反報告)
7322(プロフ) - koyuさん» コメントありがとうございます！楽しみにしてくださって嬉しいです！更新、頑張りますね！またよろしくお願いします！ (2016年10月3日 21時) (レス) id: 3f70864eb0 (このIDを非表示/違反報告)
koyu(プロフ) - 更新&コメ返ありがとうございます。また楽しみができました。ゆっくりでいいので更新お待ちしています。 (2016年9月28日 23時) (レス) id: f516abc7b6 (このIDを非表示/違反報告)
7322(プロフ) - koyuさん» コメントいただいていたのに、すっかりお返事できていなくてごめんなさい。いつもありがとうございます！またまたひょっこり、更新してしまいました。お付き合いいただけたら嬉しいです！ (2016年9月28日 22時) (レス) id: 3f70864eb0 (このIDを非表示/違反報告)
koyu(プロフ) - 嵐田兄弟は雅紀くんを筆頭に兄弟思いですよね。ほっこりするお話ありがとうございました。また嵐田兄弟に逢えるの楽しみにしています♪ (2016年2月3日 21時) (レス) id: f516abc7b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぃ | 作成日時：2014年8月8日 19時
