なつやすみ＊しろ ページ4
「三郎な、しばらく入院することになった。」
それからしばらくして、2階から降りてきたお父さんと、ようやく寝室から出てきたお母さんにそう言われた。
「どうして！？風邪じゃないの！？」
喘息の発作で入院することはあっても、風邪で、しかも体調が悪くなったその日に入院することなんて今までなかった。
「風邪よ。風邪なんだけどね、ほかに悪いバイキンさんがいないか、念のため調べてみることになったの。」
「わるい病気なの？」
「そんなわけないでしょ。大丈夫よ。さぶは大丈夫。」
そう言ってくれるけど、お母さんの目、赤いよ。
ぜったい泣いてたんだ。
お母さんが泣くなんて、よっぽどだ。
やっぱりさぶくん………
「しろ、泣かないの。大丈夫だから、ね。」
気付くと涙が出てたみたい。
お母さんがぼくの目からあふれ出る涙をそっと拭いてくれて、優しく抱きしめてくれた。
お母さんにぎゅってしてもらうと、安心するのに、今日はそれでもドキドキが止まらない。
そっと、お母さんの胸に耳を当ててみたら、お母さんの心臓も同じくらいドキドキいってた。
「三郎とお母さんを病院まで連れて行くから、帰ってきたら買い物行こうな。」
落ち込んでる僕たちにお父さんがそう言ってくれたけど、買い物にいく気分なんかにはなれない。
さっきまではアラシレンジャー、アラシレンジャー言ってたごろくんも、いつもと違う雰囲気を察して、今はなにも言わない。
「今日はいいよ。ぼくたちお留守番してるから、お父さんとお母さんでさぶちゃんについててあげて。」
いちにぃがぼくたちの気持ちを代表して伝えてくれた。
お父さんとお母さんは顔を見合わせて悩んでたけど、ありがとうと言って、さぶくんの入院の準備をはじめた。
「それじゃあ、行ってくるね。」
しばらくすると、お父さんに抱っこされたさぶくんと、大きなかばんを持ったお母さんが2階から降りてきた。
さぶくんの顔には泣いた跡がたくさん。
病院に連れて行かれるのが嫌なんだろうな。
そりゃそうだ。
お手伝いも宿題も終わって、これからが本当に本当に楽しい夏休みだったのに……。
そんなさぶくんを見送るのは、すごく悲しかった。
「ほら、四郎泣くな。五郎も。
2人が泣いてたら、三郎が一番悲しがるぞ。」
3人が出かけた後、怖いのと寂しいのとでまた泣いちゃったぼくにつられて、ごろくんも、泣き出しちゃった。
そんなぼくとごろくんを、いちにぃとじろちゃんが慰めてくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
koyu(プロフ) - ｢夏祭り｣お疲れ様でした。久しぶりに仲良し兄弟にあえて嬉しかったです。また兄弟に会えるの楽しみにお待ちしています＼(^^)／ (2016年10月6日 23時) (
レス) id: f516abc7b6 (このIDを非表示/違反報告)
7322(プロフ) - koyuさん» コメントありがとうございます！楽しみにしてくださって嬉しいです！更新、頑張りますね！またよろしくお願いします！ (2016年10月3日 21時) (レス) id: 3f70864eb0 (このIDを非表示/違反報告)
koyu(プロフ) - 更新&コメ返ありがとうございます。また楽しみができました。ゆっくりでいいので更新お待ちしています。 (2016年9月28日 23時) (レス) id: f516abc7b6 (このIDを非表示/違反報告)
7322(プロフ) - koyuさん» コメントいただいていたのに、すっかりお返事できていなくてごめんなさい。いつもありがとうございます！またまたひょっこり、更新してしまいました。お付き合いいただけたら嬉しいです！ (2016年9月28日 22時) (レス) id: 3f70864eb0 (このIDを非表示/違反報告)
koyu(プロフ) - 嵐田兄弟は雅紀くんを筆頭に兄弟思いですよね。ほっこりするお話ありがとうございました。また嵐田兄弟に逢えるの楽しみにしています♪ (2016年2月3日 21時) (レス) id: f516abc7b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みぃ | 作成日時：2014年8月8日 19時
