だって… ページ21
両親が病院に着くと、三郎は両頬に涙の跡を残したまま眠っていた。
「弟くんたちの胃腸炎をもらっちゃったかな。熱はあるし、吐いちゃってはいるけど、体調は深刻な状態じゃないから、安心してくださいね。」
茂先生の言葉に両親ともに安堵の表情を浮かべ、眠っている三郎の頬に残る涙の跡を拭ってやる。
「1人でここに？」
「いや、商店街の八百屋の息子の達也くんが連れてきてくれたんですよ。
商店街のベンチに座ってうずくまってたみたいで、声をかけてさぶくんだとわかって、家まで送ろうと思ったら、家には帰らないと、体調が悪いとは思えないほどの力で抵抗したみたいで。」
「なんで……」
「そうこうしてるうちに吐いちゃって。それでも泣きながら家は嫌だと言うから、とりあえずここに連れてきてくれたと。
達也くん、さっきまで付き添ってくれていたんですが、お母さん達に連絡取れたからと先ほど帰しました。
さぶくん、兄弟とケンカでもしたかな？」
茂先生の言葉に、両親は顔を見合わせて首をかしげる。
「いえ…そんな様子はまったくなかったですけど…。」
「ここに着いてからも、入院させてくれって泣かれちゃって。
あんまり見ないさぶくんの様子だったから、兄弟とケンカしたか、お母さんに怒られたかのどっちかかな？と思ってたんだけど……」
「思いあたる節がないです……」
母親は三郎が何を抱えているのか、不安そうな表情を浮かべながら、眠っている三郎の髪を優しく撫で続ける。
「そっか。とりあえず、元気になったら聞いてみてあげてください。
外にいたせいで体が冷え切ってしまってるから、しっかり暖めてあげて、吐き気が続いてご飯が食べられないようなら、また明日連れてきてくださいね。」
両親は揃って茂先生に礼を言うと、三郎を抱き上げて家に連れて帰った。
「さぶくん！！」
両親が帰宅するやいなや、玄関に駆け寄った兄弟たち。
「大丈夫よ。みんなも心配かけてごめんね。
今寝てるから、元気になったらね。」
小声でそう言った母親に、兄弟たちは黙って頷き、三郎の姿に安堵の表情を浮かべながらも、心配そうに父親に抱かれて運ばれていく姿を見送った。
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koyu(プロフ) - ｢夏祭り｣お疲れ様でした。久しぶりに仲良し兄弟にあえて嬉しかったです。また兄弟に会えるの楽しみにお待ちしています＼(^^)／ (2016年10月6日 23時) (
レス) id: f516abc7b6 (このIDを非表示/違反報告)
7322(プロフ) - koyuさん» コメントありがとうございます！楽しみにしてくださって嬉しいです！更新、頑張りますね！またよろしくお願いします！ (2016年10月3日 21時) (レス) id: 3f70864eb0 (このIDを非表示/違反報告)
koyu(プロフ) - 更新&コメ返ありがとうございます。また楽しみができました。ゆっくりでいいので更新お待ちしています。 (2016年9月28日 23時) (レス) id: f516abc7b6 (このIDを非表示/違反報告)
7322(プロフ) - koyuさん» コメントいただいていたのに、すっかりお返事できていなくてごめんなさい。いつもありがとうございます！またまたひょっこり、更新してしまいました。お付き合いいただけたら嬉しいです！ (2016年9月28日 22時) (レス) id: 3f70864eb0 (このIDを非表示/違反報告)
koyu(プロフ) - 嵐田兄弟は雅紀くんを筆頭に兄弟思いですよね。ほっこりするお話ありがとうございました。また嵐田兄弟に逢えるの楽しみにしています♪ (2016年2月3日 21時) (レス) id: f516abc7b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぃ | 作成日時：2014年8月8日 19時
