chapter3-1 家出少女と殺人鬼少年 ページ13
「何度言ったら分かるの!」
「皆あんたが可愛いから甘やかしてる訳じゃないの!」
「ふざけたこと言ってないで……」
母親の怒鳴り声。全く反吐が出る。
可愛いから甘やかしている訳じゃない?
母親に比べれば充分、と言うより、
比べる事もなく充分可愛いだろ。
そんな言葉を喉奥に挟み、次に吐き出す声は異常なほど冷たかった。
「……五月蝿いな」
つい本音が口に出てしまう。
これ以上怒られると知っていても、もう耐えられなかった。
「はぁ?」
当然の反応だ。
でも、今更引けない。
「私はお母さん達に可愛がられる為に生まれたんじゃないの!」
その言葉に、母親は硬直してしまった。
当たり前だ。思いがけない反論に返す言葉が無かったのだろう。
「今まで育ててもらったことには感謝してる。だけどもう耐えられない」
呆気に取られている母親を
そしてそのまま、玄関へと足を進める。
「ちょっと待ちなさい!貴方何する気なの!?」
「五月蝿いって言ってんじゃん!」
黙れねぇのかよ、と母親を睨みつける。
「……もう、戻らないから」
ドアを蹴り上げ、無理矢理壊す。
取れてしまった金具を踏み付けて通学路沿いに飛び出した。
母親は追って来ない。一時の迷いだとでも、帰ってくるとでも思っているのだろう。
まぁ、本当に戻る事は無いだろうけど。
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無神氷狐龍(プロフ) - 黄桃さん» ありがとうございます!いえいえ…!黄桃さんのじゅじゅエッグの続き、凄く気になります(*´ω`*)黄桃さんも頑張ってくださいね! (2021年1月15日 16時) (レス) id: 8c5ca7a3be (このIDを非表示/違反報告)
黄桃(プロフ) - こういう物語好きです!神作作る作者さんは神か!?私の小説と比べると・・・・(。;_;。)応援してます (2021年1月15日 1時) (レス) id: 2f74b3d2f0 (このIDを非表示/違反報告)
無神氷狐龍(プロフ) - megumiさん» こちらこそコメント&読んでいただいてありがとうございます…!これからも少しづつ時間の許す限り更新していこうと思います。よろしくお願いします( *°ω°* ) (2021年1月9日 21時) (レス) id: 8c5ca7a3be (このIDを非表示/違反報告)
無神氷狐龍(プロフ) - テノヒラさん» なんと…!私自身も好きな子なのでそう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます(´ω`) (2021年1月9日 21時) (レス) id: 8c5ca7a3be (このIDを非表示/違反報告)
megumi(プロフ) - 更新ありがとうございます! いつもハラハラドキドキしながら、「次はどうなるのだろう?」と、拝読させて頂いてます。これからも、応援しています! (2021年1月9日 20時) (レス) id: 1a15500b7d (このIDを非表示/違反報告)
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