～A RA SHI～OHNO.智～むかえに行くよ～Part2 (ページ9)

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＊泣声ページ9

電車がホームに到着して２人で乗り込む

ドアが閉まって乗降口の傍の壁に寄りかかる

Aは俺の前に立って電車が動いた途端

空いた手で俺のダウンの袖口を掴んだから

思わず吹き出して場所を交代した

貴『あはっ…ありがと…』

電車の揺れでフラフラしたのが恥ずかしかったのか

Aが鼻に皺を寄せて笑う

お礼を言って貰う程の事じゃないから

返事の代わりに一瞬、微笑むと窓の外を見る

Aもぼんやり車内を眺めたり俺と同じ様に

窓の外を見てた

…ゥア～ンッ…フア～ンッ…フニャッフニャッ…フア～ッ…

『…シ～ッ…よしよし…もうすぐ着くからね～？』

車内に突然、赤ちゃんの泣き声が響き渡る

ベビーカーに乗せてたお母さんがベルトを外して

赤ちゃんを抱き上げてあやす

のどかな昼下がりの車内ではよくある風景

俺はそう思って

お母さんに抱っこされて安心したのか

泣き声が少し小さくなった赤ちゃんから

目を逸らしたけど

Aが喰い入る様に

赤ちゃんを見つめてる事に気づいた

智『…どした？』

不思議に思って質問したら

Aは慌てて微笑むと首を横に振った