～A RA SHI～OHNO.智～むかえに行くよ～Part2 (ページ12)

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＊拡散ページ12

電車が目的の駅に滑り込む

車体が揺れてAの体が揺れて

フンワリ香る自然な花の香り

大きく息を吸い込んで

無駄だろうけどあんまり拡散しない様に努力した

解ってんよ？…これでも

Aの香りまで独占したいなんてどんだけ？って

そんな事、俺が一番、思ってるよ？

でも仕方ないじゃん？

周りにこれ以上

Aの魅力をバラ撒きたくない

ただでさえAは天然なのに

俺が一緒に居る時くらい独占してもい～じゃん？

Aには口が裂けても言わないけど(笑)

Aの体を支えて耳に目一杯、口を寄せる

智『…降りよっか？』

Aがいつもの顔色で無言で頷くのを見て

誰にも気づかれない様に

唇がギリギリ触れるだけのキスを耳にした

Aがバッと耳を押さえて俺の顔を見上げる

貴『…もぉっ…お～ちゃんっ？…意地悪っ…』

真っ赤な顔で殆ど口だけ動かす様な囁き声のA

…あ～も～…超！楽しぃ～…

大声を出して人目を惹かない様にしてる

Aが健気で堪らない

勝手に緩む口元を隠す為に鼻を弄りながら

後ろ手でAの手を引いて電車を降りた