Sixtythreestory. ページ16
..
『ーーザック』
日和に連れられる前に見たまんまの形で、
青い部屋のソファに腰掛けていたザックに声を掛ける。
すると、どこまでも不服そうな表情で私を睨んできた。
「……おせぇよ」
『文句言う割には大人しく待ってたんだな』
「お前が戻ってくるまで待てって言ったんだろうが」
立ち上がったと同時に、小突かれる頭。
さっきとは目線も変わり、
見上げる形となった私を見下すザックと視線を交える。
「で、次は、あのヒョロヒョロと何話してたんだよ」
『……関係ない話だ。気にするな』
「お前……、そればっかだな」
私達が殺人鬼だとバレて取引してきた。
なんて言えるはずもなく、軽く受け答えれば、ザックはどこか煮え切らない様子で私から視線を逸らし、頭を雑に掻く。
「ん、で？ これからどうすんだよ」
『ここに来る途中、二階に繋がる階段が出来てただろう？
その先に探索しに行こうと思ってる』
「あー……、じゃあ、行くぞ」
『その前に、だ……』
私の横を通り過ぎて、出口へ歩いて行くザック。
そんなザックの腕を引っ張り歩みを止める。
「なんだよ」と、問い掛けてくるザックのパーカーのポケットへ手を突っ込み、お目当てのそれを引き抜いた。
「あ？ なんだそれ」
私の元にいつの間にかあったカードと同じ系統のカード。
やはり、ザックも気付いていなかった様子で、首を傾げている。
室内が明るい為、蛍光色の文字は見えないが、
裏を返せば、予想通りの絵がそこに描かれていた。
ーー黒猫に十字架。
『………………、魔女……』
ぽつりと静かに呟いた言葉は誰にも聞かれずに宙に溶ける。
"選ばれし者"と書いてある割には、
ザックには魔女、私には天使を忍ばせるなんて性格が悪い。
恐らく、分かってやったんだろう。
ゲームマスターからの皮肉に苦虫を潰しつつ、
ザックに魔女のカードを返す。
本来ならば、天使を渡さなければいけないのだろうが、
生憎、私もそこまで素直ではない。
ザックに失くさない様にとだけ伝え、探索へと足を運んだ。
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みるく味 - あ、終わってるんですね… (2023年4月9日 18時) (
レス) @page18 id: fe5a781a36 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこさん - あっ...あ...終わってはる...😭 (2023年2月5日 22時) (レス) @page18 id: bd60be6b86 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - めっちゃ好きなのに、終わってる……泣きたい (2022年11月4日 1時) (レス) @page18 id: c36a6b3b63 (このIDを非表示/違反報告)
梨夢(リム) - 終わってる…。 (2022年7月24日 4時) (レス) @page18 id: 265c125c54 (このIDを非表示/違反報告)
Rukia (ゆっくりゆる) - ｷｬｱｧｧｱｧｧｧ好き。(突然に冷静になる精神年齢30歳) 日和…ひよりんヤバイよ夢女をぶっきょろする気か？ さつてん×キミシネはストーリー系が中々無くてあっても男主なのでありがてぇ……状態でござりまする。 (2021年5月29日 3時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高橋 | 作成日時：2018年9月4日 11時
