Fiftyeightstory. ページ11
..
『……落ち着いたか？ ザック』
青い部屋のソファに座らせたザックに問い掛ける。
すると、「あぁ……」という肯定の声と共に、
私の赤いコートが投げ渡された。
顔面に当たる前に受け止める。
「変なもん渡してんじゃねぇよ」
この際、感謝の言葉が無かったのは見逃してやろう
しかし、貸してやった挙句、
赤コートを"変なもの"と貶すのは
一体、どういう了見か。
投げ渡された赤コートを着つつ、眉を顰めてみせた
『……普通のコートだろ』
「あ？ "いつもの"じゃねぇだろ」
『……は？』
「だから、そのコートは、お前のじゃない慣れねぇ匂いがして気に入らねぇんだよ」
私のじゃない匂い……？
確かに、このコートは人形から剥ぎ取ったものだが
そんなに気になるような匂いなのか、
逆に私の匂いとはなんなのかと、
赤コートの袖に鼻を近づけて嗅いでいると、
青い部屋の扉の方から小さな物音が聞こえた。
そちらに目線だけ向ければ、
なぜか微かに頬を赤く染めた日和が居た。
『……なんだ？』
呆然と立ち尽くす日和に痺れを切らして問い掛ける
すると、はっと意識を取り戻したように慌て始めると、視線を宙に彷徨わせはじめた。
「ご、ごめんっ……。
ふ、二人の邪魔するつもりは無かったんだ……！」
『……邪魔？』
「で、でも、ザックさん……。
意外に大胆なこと言うんだね……」
「あ？ 何言ってんだ……？」
殺人鬼二人して頭にハテナを浮かべる。
そんな私達を混乱させるだけさせた日和は、
一人胸に手を当てて落ち着くと、私を見据えた。
……嫌な予感がする。
「あの、Aさんに話があるんだ。
僕に付いてきてくれないかな……？」
『………………』
……またか。
戒にも同じような事を言われたが、
あの時もロクな話をしていなかった気もする。
今は、体調の悪いザックも放っておく訳にもいかず
ザックを建前に面倒臭いという本当の理由で断ろうと口を開いたが、その瞬間、先手を打たれた。
「隠し部屋」
『……！』
「Aさんなら一緒に来てくれるよね？」
『…………はぁ……、分かった……』
一瞬、日和の作り笑いが剥がれた気もしたが、
溜息を吐いた私は小さく頷いた。
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みるく味 - あ、終わってるんですね… (2023年4月9日 18時) (
レス) @page18 id: fe5a781a36 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこさん - あっ...あ...終わってはる...😭 (2023年2月5日 22時) (レス) @page18 id: bd60be6b86 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - めっちゃ好きなのに、終わってる……泣きたい (2022年11月4日 1時) (レス) @page18 id: c36a6b3b63 (このIDを非表示/違反報告)
梨夢(リム) - 終わってる…。 (2022年7月24日 4時) (レス) @page18 id: 265c125c54 (このIDを非表示/違反報告)
Rukia (ゆっくりゆる) - ｷｬｱｧｧｱｧｧｧ好き。(突然に冷静になる精神年齢30歳) 日和…ひよりんヤバイよ夢女をぶっきょろする気か？ さつてん×キミシネはストーリー系が中々無くてあっても男主なのでありがてぇ……状態でござりまする。 (2021年5月29日 3時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高橋 | 作成日時：2018年9月4日 11時
