【殺戮の天使×キミガシネ】ANGELGAME

Thirtythreestory. ページ34

「何だこの人形？ 気持ち悪ィ……」

『………………』





私に似た人形に対して、二言目が"気持ち悪い"か。



……失礼な奴だ。





私を形取った人形の顔を覗き込みながら、

顔を歪めるザックを見据える。



そんなザックに近付く千堂院。





「Aさんに良く似てますね」

「あ？ あー……、ちょっと違ェだろ」

「え？ 違う……？」

『…………？』





何が違うと言うのか。



私が見ても、私と瓜二つ。

違う箇所なんて気付かなかった。





ザックの続きの言葉に耳を傾け様とした直後。


扉の方からザックと千堂院を呼ぶ声が響いた。





「サラさん、ザックさん。

人手多いし、次の場所に行かない？」


「あぁ、そうしよう。行こう、ザックさん」


「おー……」


『……ザック、待ーー』





何が違うのか聞く為、

扉へと歩いていくザックを呼び止めようとした直後


ガシャンっと金属音が辺りに響き渡った。





扉に突如現れた鉄格子。


外にいた日和と分断され、

中に居る私達は閉じ込められる。





「あぁ？ 何だこれ？」





ザックが鉄格子に蹴りを入れるがビクともしない。


日和はそんなザックを横目に、

何か開けれるものを探しに立ち去ってしまった。





「くそッ、出しやがれッ！」

『無駄な動力だ、ザック』

「っち……。おい、さっさと出られる様にしろ」

『……無理』

「てめェは諦めが早ェんだよッ！」





言い合う私達の隣で、

明らかに動揺するメンバー。



殺伐とし始めた雰囲気の中。





「おいおい、そんなに身構えるなって」





場違いな暢気な声が部屋に響いた。





「うわっ！？ 誰の声だ！」


「はっはっは。細けぇ事を気にすんなよ。

俺はこの部屋の主だ。

アルジーとでも呼んでくれよ」





アルジー。

恐らく、額縁に掛けてある男の絵が喋っている。





「まぁ早速だが、

これからゲームのルール説明をさせて貰うぜ」


「る……、ルール説明ですか……？」


「そりゃそうだよ！

ルールも知らねぇで命賭けんのかぁお前は！

酔狂だねぇ！」


『まどろっこしい。さっさと言え』





佐藤の質問に嘲笑うアルジーを一喝する。



すると、目が動いた訳ではないのに、

私に視線が向けられるのが感じられた。


それが無性に気味が悪い。

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