Thirtytwostory. ページ33
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それから、特に目星い物が見つかる訳も無く。
篠木の探索が終わるまで、
椅子に腰掛け、銃の弾丸を指先で転がしていた。
ここまで、ぼーっと出来るのも久々かもしれない。
ゆったりと流れ始めた時間を堪能しようと、
椅子の背凭れに全体重を掛けた瞬間。
バンッと荒々しく青い扉が開き切った。
それと同時に飛び込んできたのはザック。
ずんずんと私の目の前まで大股で歩いてくると、
幾らかの複数の物を投げ付けられた。
人形の右足らしきものに、
パッと見は実弾の、飾り弾六つ。
そして、理不尽に頭を叩かれる。
『……いきなり、何だ』
「"いきなり、何だ"じゃねェよッ!
サラから聞いた。てめェ騙しやがったな?」
「そ、そうだよ。僕を餌に使うなんて酷いよ」
憤っているザックの背後から覗いた日和。
その身なりはボロボロだが、何とか生還した様だ。
『……生きてたか』
「ひ、酷い……」
思わず零れた本音に、日和が肩を震わす。
そんな対称的な二人を横目に、
後から落ち着いて入ってきた千堂院に声を掛けた。
『何か進展は有ったか?』
「えっと、バーの戸棚の中に人形の右足が。
後、食堂の奥の部屋に、人形の胴体が有りました。
箱に入っていた顔と関係があると思います。
それと、その部屋で飾り弾を見つけて……、ザックさんが、Aさんが一番詳しいから、と……」
『……ザック』
「あ? んだよ?」
『………………』
案の定、口を滑らせたらしいザック。
現役高校生が銃に詳しいのは流石に異常か、
千堂院は半信半疑ながら話を切り出してきた。
そんな千堂院に、"預かっておく"とだけ伝え、
答えづらい質問をされる前に、
探索へと送り出した。
計九つに増えた銃の弾。
本物、偽物どちらにせよ、弾丸の口径を示す指数は削られて消されており、どこから手に入れたものなのか、特定するには至らなかった。
犯人側の情報は一切手に入らない。
全然進展しない現状に思わず溜息を漏らす。
そんな私の耳にどこか嫌悪の篭った声が届いた。
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高橋 - 涙凪さん» 私も続編が出たので戻ってきた次第でございまする…。こんな気紛れ更新の作品にコメントなんて頂けて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします:) (2019年5月31日 20時) (レス) id: a28b9ba00e (このIDを非表示/違反報告)
涙凪(プロフ) - 最近また続編が出たので見に来ました!すごく面白くて楽しいです。ありきたりなコメントですみません!更新楽しみにまってます (2019年5月30日 16時) (レス) id: df4ede43e0 (このIDを非表示/違反報告)
SAKURA(プロフ) - 高橋さん» そう言っていただけて嬉しいです…これからもお互いに頑張りましょう! (2018年8月21日 1時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
高橋(プロフ) - SAKURAさん» コメ有難う御座います。殺天コラボ書いてらっしゃるんですね。直ぐに御邪魔させて頂きます:) パクリなんてとんでも無いです。私的にメシウマな作品が増える事は嬉しい事です。はい、これからも応援宜しくお願い致します。私も応援してます:) (2018年8月20日 22時) (レス) id: 4be24583d2 (このIDを非表示/違反報告)
SAKURA(プロフ) - いつも面白く見させていただいてます!私もこの作品で『殺天とキミガシネ…いいな…』と思って、私も習って書いてみてます!…なんか、パクったみたいですみません!これからも応援してます! (2018年8月20日 22時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:高橋 | 作成日時:2018年2月19日 19時