【殺戮の天使×キミガシネ】ANGELGAME

Thirteenstory. ページ14

「良かった……。

無事だったんだな」


「………………」





やっと目が覚めたらしい女子高生。


安心したような顔で"ジョー"という男に近付くが

ジョーは黙って女を見据えた後首を傾げた。





「……あんた誰だ？」


「な……！ 何を言っているんだ！ サラだ！

友達の顔を忘れたのか！？」


「…………」





"サラ"という女子高生が言うには友達らしい。


然し、ジョーは一生懸命訴える目の前のサラを

一切表情を変えずに見据えたままでいる。





さっきも女の事を知らないと言っていた。


真逆、記憶喪失か何かか。

いや、それにしては言動がわざとらしい。



頭を捻ったのも束の間、ジョーの顔が破顔した。





「もしかして、水泳が大の苦手のサラさん？」


「ふぇ……？

ジョ、ジョー！ こんな時に冗談は止めてくれ！」


「悪い悪い！ ははは！」





男女は賑やかに話しているが、



今、私の手元にリボルバーがあったのなら、


ロシアンルーレット関係なく

男の脳天を打ち抜いて撃ち殺していただろう。





「彼奴ら満ちた顔しやがって……。

あー……、うっかり殺っちまいそうだ……」


『良いぞ』


「おっ？ 良いのかァ？ じゃあ、遠慮なくーー」


『あ……？ あ、嘘だ。つい』


「あァ？ 平然と嘘ついてんじゃねぇよ」





しょうがないだろう。

私も久々に殺意が湧いたんだ。



ザックと物騒な会話を展開する隣で、


和かに話す彼等に近付いていく金髪の男。





「へー……。ジョー君とサラちゃんね……。

……二人は友達なんだ？」


「え……？ は、はい。そうですが……」


「助かったよ。ジョー君中々口を割らなくてねぇ。

何を警戒しているのか……、

名前も教えてくれなかったからね」





深みのある笑みを浮かべる金髪男に、

未だ疑いの瞳で見据えるジョーの背後に回る。





『"知らねぇっすよ、その子"』

「っ！？」





何時ぞやかに言われた大嘘を囁く。


すると、哀れな程にビクつく目の前の身体。

恐れを滲ませた瞳で此方を向く其奴に肩を竦ませた





『そんな目をするな。……"おおぼらふき"』





苛立ったやり返しだとでも思ってくれれば良い。





立ち竦む彼を横目に、



「よーし、みんな、聞いてくれ」



と、視線を集める金髪に目を向けた。

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