8 ページ30
時透 A
「……う、」
思わず顔を歪める。
私はお化けが大の苦手だ。心霊番組とかそういうのも怖くて見れない。なんならやり○ぎ都市伝説ですら怖くて見れない。
虫とかだって怖くて前世では何度ゆうを呆れさせた事か。
よくこんな怖がりが鬼狩りやってたな、って?本当ね。私もそう思う。
時透 A
「んー……ここだけはちょっと……私、怖いの苦手だから、出来れば別のとこがいいんだけど……」
そういうと、
時透 有一郎
「……俺も……」
とゆうが小さく呟く。
時透 無一郎
「えっ?もしかして兄さん、怖いの?」
それを聞いたむいはぱっと顔を輝かせ、ここぞとばかりにゆうをからかう。
時透 有一郎
「な……べ、別にそういうわけじゃ……!!
そ、そもそもお化けなんて非現実的なもの、存在するわけがない、それにお化け屋敷なんて人間が扮したお化けや人間が作ったトラップがあるだけだ、そんなもの怖がるなんて馬鹿の極みだねッ」
弁解しようとゆうがノンブレスで一気に捲し立てる。
……しかし、これがむいの狙いだったようだ。
時透 無一郎
「そうだよね、兄さんがそんなもの怖がるわけないもんね。
……なら問題ないでしょ?行こうよ、お化け屋敷」
時透 有一郎
「……う……」
反論の余地なくゆうは言葉を詰まらせる。
時透 無一郎
「ねぇ、姉さんもいいでしょ?
お願い、僕姉さんと一緒に行きたい……駄目?」
そういいむいは上目遣いに私を見つめ首をこてんとかしげる。
時透 A
「……う……」
そう、これは
前世でむいが対私とゆう用に編み出した、
伝説の呼吸―――
―――「弟の呼吸」、壱の型―――
―――おねだり、だ。
これをされると私とゆう、つまり姉と兄は弟、すなわちむいのあまりの可愛さにお願いを断れなくなるという最強の呼吸だ。
そして今回も、むいのあまりの尊さに私は、ぎこちなく頷いた。
……頷いて、しまった。
時透 無一郎
「やったぁ!ありがとう、姉さんっ!!
何かあったら僕が守ってあげるから安心してね、姉さんっ!
さ、そうと決まれば、早く行こ?」
時透 有一郎
「っ、まっ、待てっ、まだ俺は行くとは一言も――――――
―――あっ待て、置いていこうとするな!!」
……なんだかんだ言って結局ゆうもちゃんと一緒に行ってあげるようだ。
152人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るるっち(プロフ) - 優衣さん» ありがとうございます!お化け怖がってる子は可愛いの法則。どうやって柱時代任務を切り抜けていたのやら……笑 コメントありがとうございました! (9月15日 14時) (レス) id: ef030e36e0 (このIDを非表示/違反報告)
優衣 - お化け屋敷に行った時の有一郎が可愛いです♥️ (8月28日 23時) (レス) @page39 id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
るるっち(プロフ) - Kk さん» そうおっしゃっていただけ光栄です!その通り、超吉ガールですw小学生の頃からの愛読書です。コメントありがとうございました! (6月25日 0時) (レス) id: 78fb67fc57 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - このシリーズ大好きです!! 質問なんですが秋祭りの話15の大正にない小説は超吉ガールですか? (6月24日 22時) (レス) @page17 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)
るるっち(プロフ) - ナタデココさん» ありがとうございます!キャンプですね、了解しました。リクエストが立て込んでいるのでかなり遅くなると思いますがご了承下さい。いえいえ、大丈夫ですよ!おきになさらず。飴ちゃんありがとうございますw コメントありがとうございました! (2021年2月19日 2時) (レス) id: 124c6176e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ